指示を出しても、実行されたかわからない理由

「店舗へ指示は出した。しかし、報告がなく実行されたかどうかわからない」

チェーンストア企業の本部担当者から、このような声を聞くことがあります。

値引きキャンペーンの案内、新商品の陳列指示、緊急のお知らせなど、本部から店舗へは日々さまざまな指示が出されています。

指示を出した後、店舗からの報告がなければ、指示が実行されていないのか、実行済みで報告が行われていないのか、実行状況を判断できません。

その結果、報告のない店舗へ1件ずつ電話をかけたり、実際に店舗へ足を運んだりするなど、実行状況を確認するための業務が増えてしまいます。

また、日常的に忙しい店舗へ負担をかけたくないという思いから、報告を求められず、実行状況を把握できないままになってしまうということも起きてしまいます。

本記事では、このような課題の背景と、その改善方法について解説します。

報告が店舗任せになっている

実行状況を把握できない背景の一つに、指示を出した後の報告が店舗任せになっていることがあります。

本部としては、忙しい店舗の負担を増やしたくないという思いもあり、完了後の報告を細かく求めにくい場合や、報告を求めていたとしても「完了したら報告」といった形にとどまり、完了の判断基準や報告の方法が曖昧なままになっていることがあります。

このような状態では、店舗側に次のような迷いが生じます。

  • どこまで実行すれば完了なのか
  • 完了後に報告が必要なのか
  • 何を、どのように報告すればいいのか

一つひとつは小さな判断に見えるかもしれません。しかし、日々さまざまな業務を抱えている店舗にとって、この「考える」という一手間は、思いのほか負担になります。

その結果、指示の実行が後回しになったり、実行されても報告が行われなかったり、ということが起き、本部は指示の実行状況を把握できない状況を生んでしまいます。

指示の中に「達成基準」と「報告方法」を組み込む

この状況を改善するために取り組みやすいのは、店舗の「考える」という一手間をかけなくて済むように、指示を出す段階で「達成基準」と「報告方法」を組み込むということです。

「完了したら報告」とするのではなく、「何を持って完了とするか」と「どのように報告するか」をセットで示します。

  • 商品を陳列し、展開後の売り場を写真で報告する
  • キャンペーン終了後、在庫状況を数量で報告する

このように、具体的な行動レベルで示すことで、「どこまでやればいいのか」「どのように報告すればいいのか」を自分で考える手間をなくすことができます。

完了の判断基準や報告の方法を店舗任せにせず、あらかじめ指示の中で明確にすることで、店舗は迷わず実行し、そのまま報告に移りやすくなります。

店舗からの報告が行われやすくなれば、本部も指示の実行状況を把握しやすくなり、報告のない店舗へ電話をかけたり、実際に店舗へ足を運んだりする確認業務の削減につなげることができます。

"確認するための仕事"を減らす

「指示を出しても、実行されたかどうかわからない」という状態は、"それを確認するための仕事"として本部担当者の工数を静かに圧迫し続けます。

指示の中に達成基準と報告方法を組み込み、店舗から報告が行われやすくなることで、本部担当者は実行状況を把握でき、"確認をするための仕事"を減らすことができます。

大切なのは、店舗が報告の基準や方法をその都度考えなくても済むように、指示を出す段階で報告しやすい状態をつくっておくことです。

まずは、自社で店舗へ送っている指示に「何をもって完了とするか」「どのように報告するか」が含まれているか、見直してみてはいかがでしょうか。

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