本部が思うより重い、店舗にとっての指示一通

「あの件、やっぱりこう変えて」

「先ほどの指示、内容を訂正させてください」

「追加でこれもお願いします」

一通の指示を書き直したり、追加したり、訂正配信したりすることが、日常業務のなかに組み込まれていないでしょうか。

もちろん、状況が変わって、どうしても訂正が必要になる場面はあります。そして、一通の指示が店舗にとって軽くないものだということも、頭では誰もが分かっているはずです。

ただ、分かっていることと、行動に表れていることの間には、距離があるように思います。訂正や追加の配信が頻繁に起きているとしたら、それは"一通の指示の重さ"が、まだ腹落ちには至っていないサインなのかもしれません。

訂正の一通が、店舗の予定を組み直させる

書き手にとって、訂正配信の作業そのものは、それほど大変ではないと思います。慣れれば、書いて配信するまで数十秒で終わることもあります。

しかし、その一通を受け取る店舗では、事情が変わってきます。

指示が届くというのは、店舗の誰かが作業の手を止めて内容を読み、スタッフの間で共有し、シフトをまたいで引き継ぎながら、店舗としての予定に組み込んでいく、ということです。開店前の準備中かもしれませんし、接客の合間かもしれません。その店舗としての予定を、訂正の一通で、もう一度組み直してもらうことになります。

書き手の数十秒は、届いた先では、そのままの数十秒では済んでいないのだろうと思います。

曖昧な一通は、店舗の数だけ解釈を生む

さらに、急いで書かれた指示は、どうしても曖昧になりがちです。

「目立つ場所に」「なるべく早く」「例年通りで」。書き手の頭のなかでは明確でも、受け取る店舗ごとに、解釈は分かれます。

一つの曖昧さが、店舗の数だけの問い合わせや手戻りになり、それがまた、新たな訂正配信につながっていく。この連鎖のきっかけが、最初に配信した一通なのだとしたら、非常にもったいないことです。

腹落ちは、行動に表れる

一通の重さが腹落ちしている書き手には、共通する行動があるように見えます。

配信する前に、もう一度読み返す。期限や目的、達成基準が抜けていないかを確かめる。迷ったら、配信する前に関係する部署へ一言相談する。

特別なスキルではありません。知識としても、目新しいものではないと思います。それでも、この行動が自然に出るかどうかには、書き手ごとの差があります。その差を分けているのが、重さを知識として知っているか、実感として腹落ちしているか、の違いなのではないでしょうか。

そして腹落ちは、自分の一通が店舗でどう扱われているかを見た経験や、指示を「連絡」ではなく「店舗を動かす行為」として捉え直した経験から、生まれてくるもののように思います。

指示が徹底されない原因を店舗に求める前に、一通の重さが、書き手として腹落ちできているか。店舗の実行力を考えるうえで、まずここから見直してみてもよいのではないでしょうか。

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