実行率が高いのに、なぜ実行精度がブレるのか

商談の中で、「うちは実行率が高いので、店舗への指示はしっかり実行できています」という話をよく伺います。

一方で、実際に店舗の現場をチェックしてみると、指示通りにできていないことが意外と多い、という声も耳にします。

たとえば実行率が90%だったとしても、数字だけ見れば十分高い水準です。それでも、現場とのギャップが埋まらないケースは珍しくありません。

何をもって「実行が完了した」と言えるのか

商談では、私は次の3つを挙げてよくお伝えしています。

  1. 確実に店舗に指示が伝わったこと
  2. 店舗が指示を実行したこと
  3. 店舗が実行したことを、本部がOK・NGを確認し、フィードバックしていること

この中で、実行が完了したと言えるのはどれでしょうか。実際に商談でお話を伺うと、2の「店舗が指示を実行したこと」を実行率として見ているケースが多いです。ただ、私たちが実行の完了だと考えているのは3です。

店舗から完了の報告があっても、その内容が本当に意図した通りだったのかは、本部が確認しなければ分かりません。確認したうえでOK・NGをフィードバックするところまでできて、はじめて一連の実行が完了するのだと思います。

日々の業務指示は、単なる連絡事項ではなく、企業の戦略や部門の目標を実現するための施策が、現場に落とし込まれたものです。だからこそ、「実行した」という報告だけで終わらせないことが大切なのだと思います。

もちろん、店舗数の多い企業ほど、ここまで一つひとつフィードバックを返すのは簡単ではありません。それでも、この工程がなければ、結果として店舗任せになってしまう、というのが私たちの実感です。

確認とフィードバックは、店舗のやる気にも関わっている

この工程は、実行の精度だけでなく、店舗側の受け止め方にも影響します。

確認とフィードバックの工程を省略すると、現場では次のようなことが起こります。完了した後、何のフィードバックもなければ、自分の対応が役に立ったという実感は持てず、孤独感につながっていきます。さらに、報告が遅れても本部から反応がなければ、この指示は優先度が低いのだと店舗側は学習し、対応は後回しになりがちです。

実際に、店舗の皆様に実施したアンケートでも、「完了してしまうと意識しないスタッフはそもそも見る機会を失い、役に立っているという体感がないので孤独感が出たりする場合もある」「報告が遅れていても現在はフィードバックがあるわけでもない」というお声もありました。

仕組みとデータで、実行の精度を高める

実行率の数字を追うだけでは、この種のギャップは見えてきません。指示を出す、実行する、報告する、その先に、本部が確認しOKを返す、というところまでを一連の流れとして仕組み化することで、実行の精度を高めていくことができます。

そして、この一連の流れのどこで止まっているのか、どこで精度に差が出ているのかを、データで捉えられるようにすることも大切です。

実行率が高いのに、なぜか現場とのギャップが埋まらない。そんな場合には、「何をもって実行完了としているのか」を一度見直してみるのもよいのではないでしょうか。

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本部が思うより重い、店舗にとっての指示一通