変なホテルで体験する「ロボット接客」レポート

ロボットがいるホテルで有名な「変なホテル」。

気がつけば早くも13軒となり、さらに今年から来年にかけて新たに3軒のオープンが予定されているとのこと。ニュースやブログでは見聞きしましたが、ふと気がつくと周囲に宿泊体験した人がいません。

「百聞は一見にしかず」ロボット接客の最前線を体験しよう!
ということで昨年弊社の近くにできた「変なホテル 浅草橋」へ宿泊体験をしてきました。

いざ「変なホテル 浅草橋」へ 〜 まずはフロントでロボット体験!

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入館するとすぐ、2Fにあるのがフロントです。
早速フロントでは女性型ロボット2体がお迎え。

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"..."

無言です。静かです。一瞬どうしようかと思いましたが、フロントに近付くと日本語で案内があり、そのまま続けて英語、中国語、韓国語で案内してくれます。ロボットの前にタブレットがあるのでここで宿泊者の名前を確認。その後は、すぐ隣にチェックイン用の端末があり、実際のチェックイン操作はこの機械で行います。スムーズにルームキーカードを受け取ってチェックイン完了。完了と共に「ありがとうございました」と女性型ロボットがお辞儀をしてくれました。

横にいたロボットコンシュルジュのuniboくんとお話ししてみましたが、「近くの駅」は案内してくれたものの「浅草寺」や「コンビニ」はうまく伝わりませんでした。なかなか難しいですね。

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右のほうには大きな水槽で魚ロボット「アイロ」が泳いでいました。 「アイロ」の両脇には、荷物一時保管装置「バゲッジポート」があります。こちらは無償でトランクなどの手荷物を預けることができます。無人フロントですが、チェックイン前にホテルに荷物を預かってもらいたいケースなどにちゃんと対応できています。

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室内の設備やサービスも充実

部屋は、いわゆるビジネスホテルスタイルです。気になった部屋の設備は、"handy"という無料の貸し出しスマートフォンがあること。こちらは多言語対応でホテルの設備案内や観光案内、地図などを調べることができます。国際電話などもできるようです。代わりにホテルでよく設置されている専用電話機がありません。フロントにもこのhandyを使って連絡します。

handyはテレビと空調のリモコンにもなります。別途テレビと空調のリモコンも備え付けてあるのですが、見事に日本語表記です。海外からのお客様にはhandyをお使いいただく方が良いでしょうね。技術的にはhandyから室内集中リモコン「iRemocon」の管理画面を操作している形のようです。

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クリーニング機「LGスタイラー」を楽しみにしていたのですが、一つご注意です。シングルルームにはないとのこと。(; ; ) もしLGスタイラーをお使いになりたい方は設置されている部屋を確認の上で予約した方が良さそうです。(ホームページの「よくある質問」にも「全客室完備の」と書いてあったので少し残念でした。※現在、変なホテル浅草橋のホームページは修正されています。)

現在、クラウド・ファウンディングサービスMakuakeとのコラボ中とのことで、ワイン熟成ガジェット「ソニック・デキャンタ」をお借りできたので試してみました。

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コンビニでおなじみのワインを買ってきてスイッチを入れ、待つこと20分。熟成前のものと飲み比べてみると、本当だ、確かに苦味と酸味がまろやかになって飲みやすく、ふくよかな感じがします。ただし、貸出料金が1000円ということで、1000円出してワンランク上のワインを買うか、ソニック・デキャンタを使うかはご判断にお任せします。(苦笑)

「変なホテル」から学ぶ経営戦略

「変なホテル」を宿泊体験してわかることは、
エンターテインメント(ブランディング)
多言語化(インバウンド需要対応)
無人化・省力化(人手不足対策)
を上手に組み合わせて対応しているということです。

「変な」という名前や「ロボット」を売りにして、楽しくてどことなくおかしい感じがうまくブランディングに生きていると思います。だから、少し不思議なガジェットがあっても何か新しい体験で許せるような、そんなエンターテインメントが前提になっています。

そして、欠かせないのが海外訪日客対応ですね。様々な言語で対応しなくてはいけませんので、どんなに優秀なホテルマンがいても追いつきません。実際、ホテル内ですれ違うお客さんはほぼ全員海外の方でした。ならば「無人化・省力化も兼ねてロボットで」という考え方は非常に先進的かつ合理的です。人手不足の時代にあってもたくさんのホテルを均一なサービスのままで量産できる賢い方法と言えます。

さらに、利用するにあたり非常に自然で、特に不自由がないこと。「これは困った」ということもなく、ホテルは普通に利用できました。補充やメンテナンスというところではしっかり人が動いている(実際何度か見かけました)が、多様な顧客への「対面接客」という観点において楽しい!面白い!と感じる「体験価値の向上」と「人手不足対策」がしっかり実現できていることが素晴らしいと感じました。

こうした観点は、チェーン店経営でも当てはまることが多く、取り入れられることもいくつかあるのではないでしょうか?
というわけで、まだ利用したことがないようでしたら、一度宿泊されることをお勧めします。

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