本部の実行力って何?成果につながる改善のヒント
今年の商談で、多くのお客様から「本部の実行力が低い」というお悩みを伺いました。本部の実行力とは単に「指示を出す能力」ではありません。指示を適切に書き、実行を管理し、店舗に負担をかけずに目的を達成する力を意味しています。
今回は、「本部の実行力が低い」と感じられる背景について、よく見られる2つのケースを挙げてご説明します。
<ケース①>指示を適切に書けない
今も問題なく指示は出しているのに「書けていない」とはどういうことか?と疑問を持つ方も多いでしょう。しかし、多くの経営層から、「うちは店舗に分かりやすい指示を書けていない」との声を頻繁に聞きます。
分かりやすい指示には、以下のような要素を含めることが効果的です。
- 指示概要:何をしてほしいのか、具体的に簡潔に伝える
- 指示目的:その作業がなぜ必要なのか、背景や意図を共有する
- 実行完了の基準:何をもって「完了」とするかを明確に示す
例えば、「棚を整理してください」という指示だけでは不十分です。 「週末の売上増を目指して、お菓子売り場を売れ筋商品に入れ替え、完了後に写真を送付してください」と書けば、店舗スタッフもその目的を理解し、具体的な行動が取れるようになります。
<ケース②>指示を出しただけで仕事が終わっている
もう一つのよくあるケースは、「指示を出すだけで仕事が完了」と考えてしまうことです。一方通行で指示を配信し、その後のフォローや進捗確認を行わないため、対応結果が現場任せになってしまいます。
さらに、期限直前になってから「この対応報告を送ってください」と追加指示を出すことも少なくありません。このような断続的な指示配信は、店舗に以下のような課題を引き起こします。
- 作業中断:他の作業の手を止めて対応が必要になる
- 手戻り発生:既に進めていた作業のやり直すことが生じる
これらの問題が重なると、現場の負担が大きくなり、業務効率が低下してしまいます。
「本部の実行力」を高めるために
指示の質を改善する
明確で分かりやすい指示を作成するには、指示をテンプレート化し活用することで、伝達すべき重要な項目の抜け漏れを防ぐことができます。また、本部がどの指示でも一定のクオリティを保つことが可能になります。
実行状況をフォローする
指示を出すだけで終わらず、進捗管理ツールや週次レビュー会議を通じ状況を確認することで、進捗状況の可視化や課題の早期発見が可能になります。これにより迅速な対応が取れ、現場の声を反映する場にもなります。
これらを徹底することで、本部と店舗の連携がスムーズになり、店舗スタッフも本来の業務に集中できる環境が整います。
店舗と本部が協力して実行力を高める
本部の実行力が高まることで、店舗と本部の双方に大きなメリットがあります。
店舗へのメリット
明確な指示とフォローアップにより、店舗は安心して業務に取り組むことができ、お客様へのサービス品質も向上します。
本部へのメリット
店舗からのフィードバックを活用することで、指示内容や業務プロセスの改善が容易になり、全体的な運営パフォーマンスを向上させられます。
本部の実行力を客観的に評価するため、店舗報告の確認率やコメントフィードバック率をKPIとして設定することをお勧めします。適切な評価指標を導入することで、改善の糸口が見えるだけでなく、長期的な運営力の向上にもつながるはずです。
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