売上を追うと売上は下がる 〜アウトカム思考のススメ

近年、「アウトカム(成果)」という言葉がビジネスにおいて使われるようになってきました。売上や利益、客数などの「アウトプット」指標に目が行きがちな現場で、「アウトカムとアウトプットはどう違うのか?」を考えたことがあるでしょうか?
本稿では、チェーンストアにおけるアウトカムの本質について掘り下げ、改めて店舗運営のあり方を考えてみたいと思います。

アウトカムとは何か?

まず、「アウトカム」とは何かを確認しておきましょう。

アウトカムは単なる数字の成果ではなく、「顧客や地域、従業員など関係者に対してどのような価値を生み出したか」という、より本質的な成果を指します。例えば、売上向上は「アウトプット(結果)」であり、それを通じて顧客の生活が豊かになったか、地域が活性化したか、という視点が「アウトカム(成果)」です。

チェーンストアで見落としがちなアウトカムの重要性

チェーンストアの店舗運営では日々、多くの指標に追われています。売上目標達成や効率化は重要ですが、それらの「アウトプット」を追い求めては長期的な顧客価値創造やブランドの信頼獲得に繋がりません。たとえば、商品の提供だけでなく、「お客様の購買体験を向上させたか」「地域社会に貢献できたか」という視点での戦略定義と成果評価の組み合わせが不可欠です。

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具体的なアウトカムの考え方と実践例

では具体的にどのような視点でアウトカムを考えればよいのでしょうか?以下の視点を考えてみましょう。

  • 顧客視点:顧客満足度の向上、ロイヤルティの形成
  • 地域視点:地域活性化、雇用創出、社会貢献
  • 従業員視点:従業員の満足度や働きがい、成長

実際のチェーンストアの中には、こうしたアウトカムに着目し、成功している事例があります。

たとえば、「売上をアップする」という目標を掲げつつ、実際には売上がなかなか上がらず苦戦していたある小売企業では、社内のパラダイムを見直し、これまで行ってこなかった「積極的にお声がけをして、商品を手に取っているお客様に店内用のショッピングバッグを手渡ししてください」という業務指示を実行徹底しました。これがきっかけで、地図サービス上のクチコミ評価が大きく上昇、コメントがポジティブに変化しました。結果、ほとんどの店舗で売上達成し、従業員のモチベーションが大きく向上しました。

成果を上げるためには、あらかじめ顧客や地域社会にどういう影響を与えたいかということを考え、そこから具体的な施策や指示に落とし込んで考える必要があり、売上や利益はその結果を表す一つの指標でしかありません。

アウトカム創出における課題と店番長からの提案

一方で、多店舗を運営するチェーンストアがアウトカムを追求する際には、「店舗ごとの取り組みをどう支援するか」「どのようにアウトカムに至るプロセスを定量化・可視化するか」といった課題が浮かび上がります。アウトカム創出には、一貫した管理や評価の仕組みが欠かせません。
こうした課題に応えるためには、「本部の戦略立案 → 店舗運営のプロセス実行と評価 → 目標を適切に表す成果指標」を効率的に把握し、アウトカムを創出する仕組み作りが必要です。

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そこで注目したいのが店番長の「アウトカム創出支援サービス」です。(リンク先でサービスの詳細をご覧いただけます)

店番長はこれまで本部〜店舗間の業務指示のやり取り、及び各店舗の実行状況を可視化することで実行力を向上するツールでした。しかし、この度大きく進化いたします。本部側が戦略に基づく指示を適切に発信し、それを店舗現場とコラボレーションして、アウトカムに繋がる店舗運営を行えるよう支援するサービスと新機能をパッケージ化したものが「アウトカム創出支援サービス」です。
チェーンストア企業の経営者や店舗運営責任者の皆さんが本質的な価値創造に集中できるよう、強力なサポートを提供します。

まとめ

チェーンストアがこれからの時代に競争力を維持し、顧客や社会に支持され続けるためには、アウトカムを真剣に考え、追求する姿勢が求められます。ぜひ皆さんも改めて「真のアウトカム」とは何かを問い直し、自社の店舗運営を見つめ直してはいかがでしょうか?その際には、「店番長」のアウトカム創出支援サービスを強力なパートナーとして検討することをおすすめします。

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