今年のリテールテックご相談No.1は? KPIで見直す生産性向上の鍵
今年もリテールテックの弊社ブースに多くの方にご来場いただきました。ありがとうございました!
4日間で100名以上の方とお話しし、店舗コミュニケーションのDXに取り組む中で、思うように成果が出ていないと悩む企業が非常に多いことが分かりました。
特に、「一方通行の情報配信が生産性を著しく悪化させている」 というご相談がダントツに多かったです。
グループウェアやチャットで情報共有や連絡はできるものの、指示が適切に整理・管理されず、本部と店舗の関係を密にし、売上向上につなげる施策が実行しきれずにいる企業が多く見られました。
今回は、リテールテックでいただいたご相談をもとに、一方通行の情報配信がもたらす課題と、その解決策について整理してみます。
実行状況が追えず、指示の効果が見えにくい
グループウェアやチャットでは、未読・既読の確認はできても、「どの指示が実行され、どのような対応が取られたのか」 までは把握できません。
そのため、会議・報告書・臨店といった方法に頼らざるを得ず、業務負担が増え続けているのが実情のようです。
では、どのような情報を可視化すれば、本部と店舗の生産性向上につながるのか、確認すべき指標とともに、3つの視点から整理してみます。
①部門間の指示が共有されず、施策の連携が取れない
各部門が配信している指示が本部間で共有されないと、店舗では「今どのような指示を対応しているのか」が見えず、優先順位を判断しづらくなったり、対応が後手に回ったりすることがあります。
例えば、バイヤーが新商品の販売強化を指示しても、店舗をサポートする営業部門がその内容を把握していなければ、適切なフォローができません。
また、指示の全体像が見えないと、類似の指示が重ねて発信されることがあり、結果として指示の発信量が増え、店舗の業務効率が低下する可能性があります。
KPIの例:指示の発信量(一定期間内に発信された指示の数)
②フォロー状況が見えない
指示を出した後、本部、SV、統括店長がどのようにフォローしているかが可視化されていないと、「どの店舗がうまく対応できていて、どこに追加のサポートが必要か」 が分からなくなります。
その結果、成功事例が横展開されず、対応が店舗ごとにバラバラになってしまうことがあります。
KPIの例:完了時のコメントフィードバック率(指示完了時にフィードバックを行った割合)
③どのように対応したのかが分からない
本部としては、店舗が「完了しました」と報告しても、その対応が期待通りになっているのかが把握しづらいことがあります。
現場へ行ってみると、指示の意図とは異なる対応になっていたり、店舗ごとに実施レベルにばらつきがあったりするのは、「完了基準」が明確に定義されていないためです。
KPIの例:明確な回答設定率(具体的な完了基準が設定されている指示の割合)
情報を可視化することで、本部と店舗の連携が変わる
情報の一方通行を防ぎ、「指示 → フォロー → 実行」の一連の流れを可視化できると、以下のメリットが生まれます。
本部のメリット
- 進捗状況をリアルタイムで把握し、適切なフォローが可能になる
- 成功事例を横展開できるため、再現性のあるマネジメントが実現できる
- 指示の精度が向上し、店舗の負担を軽減できる
店舗のメリット
- 指示の意図や完了基準が明確になり、迷わず対応できる
- 無駄な報告業務が減り、本来の業務に集中できる
- 本部からのフォローが的確になり、適切なサポートを受けられる
KPIを活用し、実行力を高める
一方通行の情報配信では、本部と店舗の関係が強化されず、現場の負担が増え続けるばかりです。しかし、数値で可視化することで、問題点を明確にし、適切な対策を講じることが可能になります。
「どの指示が、どのようにフォローされ、どのように完了したか」 をデータで把握し、適切なKPIを設定すれば、指示の精度が向上し、現場の負担軽減につながります。
今回ご紹介したKPIを参考に、データに基づいた店舗マネジメントを推進することで、業務の最適化と成果向上につなげていただければ幸いです。
また、優先すべきKPIの選定や業務への落とし込み方など、具体的なナレッジが多数ございますので、実践にお悩みの際はぜひご相談ください!
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