水面下ではじまる流通業のアフターコロナ回復プラン

blog_142836101.jpeg

2021年5月現在、コロナの猛威は依然としておさまらず、変異株の存在など、今後爆発的に感染者が増えるリスクはまだ残念ながら払拭できません。休業や制限下での営業を余儀なくされている皆様は、本当に毎日ご苦労されていると思います。
そんな中、日本以外の国では、ワクチンの接種率向上とともに制限が緩和されている例も出てきました。

日米のコロナ状況比較

少しアメリカの数字と比べてみますと、2021年5月28日現在、

アメリカ日本
合計感染者数 3,320万人 73.1万人
合計死亡者数 59.2万人 1.26万人
人口百万人あたり感染者数 101,173人 5,790人
人口百万人あたり死亡者数 1,802人 100人
ワクチン接種率(1回以上) 49.4% 6.01%

Google [COVID-19 統計情報] / NHK [世界のワクチン接種状況]

文字通り桁が2つ違う状態で日本が留まっているのは、ひとえにそれだけ耐え忍んでいるからだと思いますし、お店さんもお客さんも、皆さん本当によく頑張っていると思います。

政府や都の発表を振り返ると日本は「ワクチンや治療薬が出てくるまで医療崩壊を起こさずに緩やかに回避する」プランを選択したと記憶しています。そして今、ワクチン接種も急ピッチで進んでいます。その観点で見れば、トンネルを抜けるまであと少しのところまで来ていると言えます。

経済回復が急激に進むアメリカ

ワクチン接種が着々と進むアメリカからは、経済や日常生活の回復の報告が聞かれるようになってきました。

これらのニュースをまとめますと、

  • ワクチンの接種率は40%を超えた
  • まだ毎日数万人が新規感染しているものの確実に低下
  • ワクチンの大規模接種会場はたった2ヶ月で閑散としてしまった
  • 需要の急激な伸びに人手不足が追いついていない(一旦解雇した人員が戻るまでには時間がかかる)
  • 政府の3回の支給金で消費も好調
  • 中古車や中古住宅の伸びが顕著(住宅バブルから家具や耐久消費財へ飛び火する可能性)
  • オフィス街はまだ閑散(リモートワーク推奨)
  • 閉店したレストランは空きがまだ埋まっていないように見える
  • レストランや屋内施設の多くは上限定員の50%の入場規制下で営業中
  • 空港の国内便は混雑、国際線はガラガラ
  • 4月にはテーマパークも再開(州内のみ、事前予約制)
  • 映画館およびハリウッド自体が冷え込み、上映延期も

といった状況です。

この中で私が注目したのはこちら、

ワクチンの接種率向上とともに急激に景気は回復するが、人員確保が間に合わない

この先、日本でもワクチン接種が進めば、急速に景気が回復します。
(まだ回復を語るには世の風潮が許さないかもしれませんが、経営者の方は水面下で必ず考えておられると思いますし、少しづつ景気回復を見込んだ企業の動きも垣間見られるようになってきました。株高が維持されているのもその現れと思われます。)

しかし、そうなれば確実に人員が不足します。
需要の高まりは切望したことですが、そこでお客様をキャッチでき損ねてしまったり、手が追いつかないからと言って悪い体験をさせてしまったりすると、せっかくのチャンスに客離れを起こしてしまいます。

今後の回復にかかる変化というのは、アメリカの例を見ても今まで以上に激しいものになると予想されます。コロナ影響による縮小の際には、資金面の不安が主たる問題であり、人材や店舗など物理的リソース面で、余剰はあっても不足は起こりづらかったわけですが、今後急な需要増や急拡大が起きれば、確実に今いる人材に負担がかかります。そもそもコロナ前には深刻な人手不足もありました。いきなり採用枠を増やしても、いずれ他の企業との取り合いになりますし、無理に増やせば採用活動と育成で、さらに現場負担が増えてしまいます。

したがって、こうした変化に対しても強い組織づくりが大切になってきます。

あなたの会社のデジタル戦略が鍵?!

このような調査レポートが出ていました。

コロナ後の世界ではデジタル化の成熟が一層強みに--デロイト調査
https://japan.zdnet.com/article/35169934/

blog_347948302.jpeg

この調査レポートでは、デジタル化が成熟の域に達している企業は、結束したデジタル戦略を有していない企業に比べると回復力が高く、目まぐるしい変化により適切に対応でき、著しく優れた業績を残しているというポイントが示されている。

今まさに『会社全体で先を見据えたデジタル戦略を有しているかどうか』、これに尽きると思います。

「現場で起きることをしっかり本部がキャッチして、対策を素早く横展開する」こうした会社ぐるみで行う"オーケストレーション"を強く要求される波がまもなく訪れようとしています。これをメールや汎用グループウェアといったレガシーなコミュニケーション手法と人海戦術で乗り切るのには無理があります。

店舗物件の物色、資金調達による拡大の準備...
おそらく動きの早い会社では既に着手を進められていると思いますが、ぜひ「デジタルトランスフォーメーション(DX)によるストアぺレーションの強化」これも投資判断の中に加えていただければと思います。

FAXをやめてすごく得した話

前へ

株式会社ツルハホールディングス様「店番長」導入事例追加のお知らせ

次へ

株式会社フェニックス様「店番長」導入事例追加のお知らせ