何店舗が適切?ひとりのSVが管理できる限界とは

最近、チェーンストア企業の経営者様や店舗運営責任者様から、「一人のSV(※)が、より多くの店舗を担当できるようにしたい」といったご相談を頂くことが増えています。SVの人数を増やしたくても、採用難やコストが理由で現実的には難しいことが背景にあるようです。
この問題について考えているとき、「スパン・オブ・コントロール」という言葉を思い出しました。

(※)企業様によって、スーパーバイザー、エリアマネージャー、エリア担当、統括マネージャー等、様々な呼称があります。ここでは、複数の店舗を巡回して管理・監督する立場の方という意味で捉えてください。

スパン・オブ・コントロールとは

一人の管理職が直接管理できる部下の人数や業務領域を定義する考え方で、もともとは軍の編成・組織構成において使われていたものが、企業経営の世界にも適用されるようになったものです。

スパン・オブ・コントロールは、ケースバイケースで適正な人数が異なります。3人程度が限界の場合もあれば、10人以上でも問題無い場合もあります。一般的には5~8人程度が適正と考えられているようです。

スパン・オブ・コントロールを超えた人数の部下を抱えてしまうと、特定のメンバーの教育や能力開発が滞ったり、十分なケアができず孤立してしまったりする可能性が高まると言われています。この場合、管理職と各メンバーのコミュニケーションが均一に薄くなるわけではありません。実際には、コミュニケーションがよく取れているメンバーと、ほとんど取れていないメンバーが混在し、まばらな状態となります。

「できる」店舗とそうでない店舗の差が激しいという意見をよくお伺いしますが、これはSVのコミュニケーション量が店舗ごとにばらついていることが原因かもしれません。

一人のSVが担当できる店舗数は何によって決まるのか

スパン・オブ・コントロールはどのような要因によって決まるのでしょうか。一般的には業務の難易度や複雑さ、人材マネジメントの仕組みが大きく影響すると言われています。

メンバーに高度なスキルが求められるほど、スパン・オブ・コントロールの範囲は狭くなります。マニュアル化などによって業務標準化が進んだ組織ほど、スパン・オブ・コントロールの範囲は広がるといわれています。部下へどれだけ権限移譲できるか、研修制度によって日々の教育をどの程度補えるか、といった人材マネジメントの仕組みによっても左右されます。

一人のSVが担当できる店舗数を増やすにはどうすればよいか

スパン・オブ・コントロールの決定要因を踏まえると、一人のSVが担当できる店舗数を増やすためには、業務の標準化や研修制度の充実、現場への権限移譲などに取り組むことが解決策の一つと言えそうです。ただ本部の体制が整わず、すぐに問題に着手しづらいケースも多いのではないでしょうか。

この場合、SVと店舗間のコミュニケーションツールを見直すことが、解決策となるかもしれません。多店舗とのコミュニケーションに特化したツールは、効率的な各店舗の状況把握により、フォローすべき店舗の正確な把握に役立ちます。また、各店舗の作業チェック業務を軽減することで、本来時間を割くべきマネジメント業務に集中できるようにもなります。

コミュニケーションツールは単に製品を導入すれば問題が解決するというものではなく、解決したい問題に応じた適切な運用ルールの策定と、新たなツールの定着へ向けた着実な導入計画を立てることが重要となります。
数多くのチェーンストア様のお悩みを解決してきた弊社のノウハウに多少でもご関心がありましたら、是非お気軽にご相談ください。

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