ロボットを上手に使う店舗スタッフが成功の鍵を握る

あるチェーンストアにて配膳ロボットを導入するにあたり、まずは集客数やスタッフ数が似た2つの店舗で導入し比較したところ全く結果が違った、というお話を関係者の方からお聞きしました。

そもそもロボットを導入するということは、人手不足への対策や属人化を避けるのが目的のはずなのに、なぜ大きく差が開いてしまったのでしょうか?

ロボット導入の効果が店舗ごとに異なる理由

ロボットの稼働状況は、カメラとデータで確認できるそうで、それを見て分かったことが「ロボットを上手に使いこなせる人」の存在でした。

配膳ロボットは、すべての業務を自動でやってくれるわけではありません。
あくまで、ロボットにお皿を載せるのは人の仕事です。

「ロボットなんだから人間の代わりにやってくれる。人手不足対策になる。」と漠然と考えているだけだと稼働率は上がりません。むしろ、気が利く人間よりは、指示をしないと動かないロボットの方がちょっと面倒なのかもしれません。

ロボット導入で効果を上げるためには、オペレーションする側が結果を逆算で考えなくてはなりません。
常に「私が〇〇をやっている間に、ロボットに配膳/下げ膳に行ってもらう」というちょっとした行動改善の積み重ねが生産性向上につながります。

クリティカルパス法で考える生産性向上

つまり「完成したメニューは空いているロボットに持って行かせる」「ランチで満席になった時は下げ膳にロボットを使う」という単純なオペレーション・マニュアルでスタッフが受動的に対応するだけですと、終始後手に回って成果には結びつきにくいということになります。

こうした考え方は、昔からある「クリティカルパス法」と言われるタスク管理の手法で説明がつきます。

作業分担が可能なタスクを実行する際に、絶対にやらなくてはいけないかつ順番にしかこなせないことは優先的に実行しておき、その裏で別な人が対応できることは並行して実行することで時間あたりの生産性が向上します。一つの工程が終わってから「さて誰にお願いしようかな」と考えていると、数珠繋ぎの実行しかできませんので、実は裏でもう一人にお願いできたけど後の祭り、となるわけです。

例えば、○番テーブルにロボットを向けておいて、自分は先に行ってお皿をまとめておき、さっさとロボットに載せ、テーブルを拭いたらすぐお客様のオーダーを取りに行く、といった効率化です。

書き入れ時ほどこうした効率化がものを言いますし、こうしたオペレーションができれば一人少なくても回るかもしれません。
その結果、お客様の待ち時間が少なくなり客席の回転数にも影響するわけですから、顧客満足度にも売上にも大きな差が出ることになります。

ロボットに限った話ではない

そんな人がいっぱい採用できたらいいな...と指を咥えて待っている店長では、結局文明の利器は使いこなせませんよね。
「こうやってやると効率的だよ」と、スタッフを巻き込んで自ら実践できる店長がいる店舗は、ロボットを導入してもちゃんと業績を向上させることでしょう。

人材をうまく使う現場のリーダーというのは、常に逆算でものを考え、クリティカルパス法なども自己の経験から体現できる人であってほしいですよね。
冒頭はロボットの話ではじまりましたが、オペレーションの効率化や生産性向上に関しては基本に忠実で普遍的なものであることに気が付かされます。

DXを賢く使えばちゃんとメリットはある

なお配膳ロボットの良い点は、残業制限も賃上げもコミュニケーション面のトラブルもありませんので、ホール担当に人が採用できない場合に導入するメリットは充分あります。
また、上記のような課題にどう対峙すれば良いかはロボットの導入支援企業が充分ノウハウをお持ちだと思いますので聞いてみると多くの発見があると思います。

手前味噌で恐縮ですが、弊社で開発しているチェーンストア向けDX「店番長」であっても導入するだけで効果が出るわけではなく、どう使うかが大事だというポイントは同じです。したがってツールの機能だけで比較するのではなく、成果UPを支援する「人」の存在が大事だということをお忘れなく。

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