「店舗主導」のお店作りは、全店統一の指示の実行徹底が鍵を握る
こんにちは。リンコムの野口です。
今回は入社して間もない頃に経験したチェーンストア企業の店舗運営部門のご担当者様とのエピソードをお話ししたいと思います。
「うちは店舗主導だから、本部の指示はない!」
お客様から言われた印象に残っている言葉の一つです。
お客様は続けて、
「店舗の個性を生かすために、あえて本部からの具体的な指示は出していない。
そうすることで、各店舗が自ら考え、成長する機会を持てる」と説明してくださいました。
正直なところ、私は戸惑いました。
なぜなら弊社はチェーンストア企業が、全店舗で統一された品質やサービスを提供するために必要な指示事項の実行力向上を支援しているからです。
しかし、お客様との会話を深めるうちに、
「本部の業務指示」について、お客様と私の間で認識が相違していることに気が付きました。
お客様にとっての 『業務指示』 は店長や店内の部門責任者がスタッフに対して出す具体的な指示を指していました。
これは店舗が日々の目標達成において重要なものです。
一方で、本部から店舗へ発信されるものは 『連絡』 と位置付けられていましたが、
この中にも実は、ブランドを保つためには必要不可欠な内容や、MD計画のような売上達成に向けて重要な施策の作業準備依頼などの『業務指示』が含まれていました。
具体的には以下のような指示です。
業務指示 (店舗 → 店舗) | 連絡 (本部 → 店舗) |
MD施策のポップ作成、ポスター配置 | MD施策の全店指示 |
強化商品の売り場作り | 全店キャンペーンのポスター掲示、POP掲示 |
部門ごとの発注、欠品処 | HACCAP、5sの実施 |
各部門のスタッフの配置、やりくり | 制服、身だしなみチェック |
部門責任者からの指示事項 | 日報の提出 |
勤怠報告取りまとめ | クレーム内容の全店共有 |
オープン・クローズチェック | 備品破損チェック |
さらに詳しくお話しを伺っていくと、
「連絡」は、日常的に見落としや実施・報告漏れが発生しており、催促や進捗確認が必要な状況であることがわかったのです。
ただ、お客様は、店舗の自主性や裁量を重んじ、店舗が自ら考え、実行することを望んでいらっしゃいました。
しかし、どの会社様でもこうしてじっくり時間をかけ、店舗の責任者を育てていける環境とは限りません。
急成長する中では、採用したばかりの方にも即戦力になってもらわなくてはならず、
全店でやるべき指示を確実に実行するために本部と店舗が協力し、スピーディに課題を解決する必要もあるのではないでしょうか?
たとえば、
全店のキャンペーンにも関わらずPOP掲示・売価が正しく案内されていない、
清掃が行き届いていない、身だしなみの悪さが目に付く店舗がある、
A店とB店で接客品質・商品知識のバラツキが発生している、などが店舗で確認された場合、
せっかく個店努力によって魅力的で個性豊かなお店作りをしていたとしても、お客様からの信頼を失ってしまいかねません。
変化の激しい社会環境において、
店舗ごとの個性を活かす店舗主導の取り組みも、顧客体験を向上させるために必要だと思います。
しかし、ブランド価値や信頼性が担保された土台の上に、個性豊かで魅力的な店舗運営が成り立つのではないでしょうか。
そのためにも、全店で統一された指示の実行徹底が、店舗主導の方針の鍵となるのではないか、と考えています。
皆様にも以下のようなお悩みはありませんか?
- 本部と店舗の「全店舗で一貫して行うべき事項」の実行徹底に思い当たるお悩みがある
- 店舗の負担になるという理由で、本部からの指示が一方通行になってしまっている
- 本部から指示を出したいが、「確認・実施・報告」の手間がかかりそうで心配だ
- 店舗スタッフがどのくらいの件数の連絡・業務指示を受け取っているかわからない
もし1つでも当てはまるならば、我々のナレッジがお役に立てるかもしれません。
ぜひ、お気軽にご相談ください。皆様とご一緒に、より良い解決策を見つけていけましたら幸いです!
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