スタッフがやる気になるフィードバックとは

以前、コラム「スタッフの意見へフィードバックする重要性」で、店舗スタッフが業務改善のために提案してくれるアイデアに対し、適切なフィードバックが重要だとお伝えしました。店舗スタッフが自身の意見を伝えるのは簡単なことではありません。勇気をもって意見を出したにもかかわらず、それを軽視したり、頭ごなしに否定してしまうと、スタッフは「意見を言っても無駄だ」と感じてしまうでしょう。逆に、しっかりとフィードバックを行えば、「また意見を伝えたい」と前向きに感じてもらえるはずです。

では、具体的にどのようなフィードバックが効果的なのでしょうか。

効果的なフィードバックのポイント

感謝を示す

スタッフが意見をくれることを当たり前と思わず、感謝の気持ちを伝えることが大切です。こうした感謝は、スタッフにとって「自分の意見は価値がある」と感じるきっかけになります。
例:「ご提案ありがとうございます。このような意見をいただけると非常に助かります。」

明確な理由を伝える

意見を採用する場合も、不採用にする場合も、理由を明確に伝えることがポイントです。理由を伝えることで、結果への納得感が高まり、次回の提案にもつながりやすくなります。
例:「今回の提案を見送ったのは、かかる費用□□に対して見込める効果が〇〇と小さいからです。」

良かった点を評価する

採用されないアイデアにも、良い部分が必ずあります。その点を認め、評価することが、スタッフのモチベーションを高めます。
例:「お客様の視点を意識している点が素晴らしいと思います。」

今後の期待を示す

最後に、次回への期待を示すことで、スタッフが積極的に意見を出し続けやすくなります。
例:「これからも現場目線の改善アイデアを期待しています。」

一見すると当たり前のようですが、実際にこれを徹底するのは容易ではありません。ある外食チェーンの例を挙げると、日常的に店舗スタッフのアイデア集めを行っているものの、本部スタッフが現場スタッフのやる気を引き出すフィードバックを書けずに苦労しているとのことでした。理由の一つとして、本部社員が自分の仕事にこだわりを持つあまり、スタッフの意見を現状の批判と受け取ってしまうことがあるそうです。

しかし、スタッフのアイデアを「店舗現場で起きていることを知る貴重な気づき」として捉えることで、フィードバックをより前向きに行うことができるはずです。ぜひ効果的なフィードバックを実践し、店舗のやる気を引き出し、全社的な成長の機会を見つけてみませんか。

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