ネットに勝る店頭接客体験

実際の購買体験より

先日、家の洗濯機が壊れてしまいまして、慌てて近くの家電量販店へ駆け込みました。
そこで、とても良い接客を受け、快適なお買い物ができました。

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現地でお目当ての商品を眺めていたところ「お探しですか?」とすかさず店員さんがフォローに。

その場で同じメーカーでの性能の違い、他社メーカーで同等品がないか、どう違うかといったことをご説明いただきました。在庫状況を聞いたらすぐにリストを持って現れ、パパッと短納期の2機種まで絞り込み。そこそこいいお値段だったので交渉してみたものの、値札の金額が価格比較サイトの最低価格と同じぐらいの金額でしたので「これ以上は難しいです」とのご回答。最終的に欲しいと思った機種は「1週間後には入荷して配送できます」とのことで、それを注文して帰りました。

...さて、上記は一見すると当たり前の接客のように見えますが、体験してみてとても快適に感じたいくつかのポイントがありました。

変わる店頭接客

  • 店員さんの接客が澱みなくしっかりしていて、在庫確認でも待たされない
  • 値札にもネットと同程度の底値を提示している
  • メーカー応援の販売員が見当たらなかった

昔から変わらない店等接客の利点としては、商品の説明をしっかり納得できるまで聞けることが挙げられます。それに加え、今回少し驚いたのは、在庫状況をすぐ教えてもらえたことです。ひと昔の体験を思い出すと在庫確認のために延々待たされるなんてこともありましたが、さすがに改善されていると感じたところです。

提示価格について少し考えてみますと、コトラーのマーケティング2.0に「物資が豊かになり、インターネットやSNSが普及すると、徐々に買い手が有利な時代になる」との一節があります。消費者同士が口コミや価格比較サイトを調べてきて、安いお店やサービスの良いお店を知っています。
かの、セブン&アイ・ホールディングス 名誉顧問 鈴木敏文氏も商売はお客さまの立場で考えるものであって売り手側の常識で考えるものではないと説いていらっしゃいます。変に包み隠したり顧客の意図を捻じ曲げる接客をしても満足度を下げてしまいますので、そこは買い手の期待値に合わせた状態になっていると感じました。

メーカー販売応援については、半年ほど前に、ビックカメラさんがメーカー派遣をやめて自社従業員にスイッチするという記事があり、ノジマさんでは以前からメーカー販売員がいないとのお話もありました。おそらくこうした動きは他の業界でも進んでいると思われ、益々消費者の目線に寄り添う姿勢が見られます。

今回は上記2社とは別な家電量販店でしたのでたまたま良い店員さんに当たっただけだったのかもしれませんが、強引に売り手の論理を押し付けず接客の質で勝負しよう、という店側の姿勢がビシビシ伝わってきました。

逆に質が低下してきたネット販売

と同時に最近特に感じるのが、ネット販売の質の低さです。

通販サイトのレビューにはサクラやステマと思しきコメントが溢れ、買い占めや転売にダイナミックプライシングまで加わり、店頭売価より高いものが並んでいますので、うっかり考えずにポチッとしてしまい騙されないかとヒヤヒヤです。食べログ訴訟もあったように、ネットでのおすすめランキングも信頼度が下がってきてしまっています。

消費者を騙す行為はネットの方でむしろ横行しているように思います。
ネット販売は便利な反面、信憑性の確認を消費者に求められることが多く、なんだか調べることに疲れてきてしまいました。
本当は良心的な販売元が大多数で、ごく一部の販売元や転売ヤーが良くない行為をしているのだと思いますが、何かしらの手法で正規品と同列に並ぼうとしてきますので、まさに『悪貨は良貨を駆逐する』ですね。困ったものです。

以前はネットの方が無条件で安いのが当たり前でしたが、ネット販売の流通力が高まったことで力関係の均衡が崩れ、売り手が強者になる状態に少し傾いて逆転現象が起きているように見えます。これが今回のような購買体験の差に繋がっているのだろうと分析しました。

現時点を切り取ると結果的に店頭での買い物の方が素直で快適に楽しめるように思えます。
久しぶりにもっと店頭でのショッピングを楽しみたい!と思った出来事でした。

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