現場での指示ミスの失敗談から学ぶこと

「棚を拭いてください」

小売業の店長経験がある方とお話をしていたら、こんなエピソードをお聞きしたのでご紹介します。

新店のオープンに際し、スタッフを集めて「掃除します!棚を拭いてください」と声をかけたそうです。
そうしたら、Aさんは乾拭き、Bさんは水拭き、Cさんは洗剤をバケツに入れ、雑巾でしっかり水拭きし、5分置いて乾拭きまでしていたそうです。

いくらなんでもそこまでバラけることはないでしょ、と思ってしまいますが、新店あるあるとも言えるエピソードです。
新店スタッフは社内の経験者だけでなく、現地採用で初心者の方もいれば、他社経験のある方も集まります。それぞれ違った会社やチームで教育を受けたことで、各自違ったやり方が標準になっており、結果行動も違ってしまうというわけです。
その上、新造のチームですから、スタッフ同士で自発的に横のコミュニケーションをとってやり方を標準化しよう、とはなりにくいことも理由として重なります。

かくして、「棚を拭く」というとてもシンプルな指示にも関わらず、15分後には想像もしなかった光景が広がっていたとのこと。

充分経験を積まれた店長やマネージャーの方であれば、「もう少し細かく手順を指示してあげなきゃ」とお思いの方も多いと思います。本当にその通りだと思います。

企業規模で起こりうる問題に発展

...ん?でも、この状況、チェーンストアの本部と店舗の関係でも成り立ってしまわないでしょうか?

上記と同じ構図で、本部の方は単純な指示を出しただけ、と思っていても、店舗では思い思いの方法で実施してしまった、なんてことは記憶にありませんでしょうか?
スタッフや店長の経験値は店舗ごとに異なります。また、お店とお店の距離が離れているためどうやるかという細かい話となると他店と相談するということも大抵はしないでしょう。

かくして1週間後には想像とかけ離れた状況報告が各エリアマネージャーから上がってきて ...なんてホラーストーリーを聞いたら画面の前から悲鳴が聞こえてきそうですね。

というわけで、当たり前ではありますが、指示は誰が伝えても「具体的で簡潔にわかりやすく」ということを日頃から心がけておきたいですね。

なお、関連といたしまして『店番長 活用クリニック「店舗が読み易く作業漏れしない指示の書き方」』いう動画も公開しておりますので、よろしければご覧ください。

そして、出来栄えやプロセスをちゃんと確認して、初めて理解できるということもあります。
「任せました」(出しっぱなし)というのは無責任そのものになってしまうので、本部が出した指示の実行状況はしっかり担当者自らが見て確認し、問題があれば次は改善していくということが大切かと思います。

まさにPDCAが大事、という店舗運営ならではの失敗談からの学びでございました。

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