冷凍食品の活況は飲食業・小売業をどう変えていくのか?
コロナ後もニューノーマルとして残った習慣
コロナがすっかり収束しはじめ、マスクを外している方を目にする機会が増えてきました。そんなアフターコロナにおいて我が家にニューノーマルとして残った習慣があります。「冷凍食品」です。
コロナ以降、弊社ではリモートワークが中心です。昼食は自宅で食べることが多く、出かけなくても暖かく美味しいご飯を食べたいということで、冷凍食品(調理済み加工食品)がすっかり定着してしまいました。
お気に入りは、パスタ、ラーメン、たこ焼きです。(若干ジャンキーです 笑)
びっくりしたのは、その味です。めちゃくちゃ美味しくて、お店で出てくる味とほとんど変わりません。パスタのソースは濃厚だし、ラーメンの麺コシも完璧。たこ焼きだって普通に美味しいです。
ダイヤモンド・チェーンストアさんの「"超"拡大する冷凍食品市場」という記事にもありましたが、
約40年間市場を調査してきた冷凍食品ジャーナリストの山本純子氏は「お客の『冷凍食品=おいしくない』というバイアスがなくなってきた」とその理由を説明する。コロナ禍で在宅時間が伸長し、保存性の高い冷凍食品を買う消費者が増えたのと同時に、その利便性やコストパフォーマンスの高さについての認知が広まった。(中略)消費者は「おいしく、簡単に調理できる」ことにあらためて気づいたのである。
まさにこれです。一度おいしさに気づいた人はもう戻らないでしょう。故に、市場は今後も順調に成長すると言えます。
飲食業はどう変わる?
日本冷凍食品協会の用途別国内生産量推移を見ると、コロナ前から顕著に傾向が見られます。
業務用はコロナ前から減少傾向にあり、家庭用は概ね伸び続け、コロナ禍で一層伸びているように見えます。この図は国内生産量なので、業務用は輸入に置き換わったのかと思いましたが、2008年以降は輸入もほぼ横ばいです。
(2008年には中国製冷凍ギョウザ問題があり、それまで増えていた中国からの輸入が一気に冷えたという背景もあるようです)
こうした背景を見るに、冷凍技術の向上は飲食店の調理現場で人件費や手間の短縮により強みになると思われましたが、業務用途が今後さらに増加する勢いはありません。となると、外食領域には冷凍食品の技術はある程度浸透しており飛躍的な変化は今のところなさそうです。
やはり、今後しばらくは中食・内食の市場で伸びていくと考えられます。
経済産業省にはコロナ禍の飲食料品小売業と飲食店、飲食サービス業の比較分析がありました。
お弁当やファストフード、デリバリーなどの市場はコロナ禍で増える傾向にありました。今後は、コロナ収束で外食産業も持ち直してくる中、冷凍食品がどのように拮抗し、どういう流通経路を辿って食卓に運ばれるのか、この辺りの動向は目が離せないですね。
小売業に与える影響は?
では、小売業はどうでしょうか?
上記でご説明したように、冷凍食品は中食・内食にも影響していると考えられますので、小売の業界も間違いなく調子が良さそうです。実際、GMSや路面で冷凍食品専門の販売店をよく見るようになりました。
ところで、この冷凍食品、一体誰が買っているのでしょうか?
食未来研究室さんの記事がとても興味深い内容でした。
上記を見ていただいてわかるように、年齢層が高いほど冷凍食品の支出金額が増える傾向にあります。
となると、若い人はなんだかんだ言ってあんまりライフスタイルを変えていないのですね。
で、50代以上に注目ですよ...。この伸び。
あまり出歩きたくないですし、冷凍品は長持ちしますし、外食も少なくなっているご高齢の方を中心に利用量が年々増えているのですね。納得です。高齢化が進むと、よりこの傾向は顕著になると思われますので、まだしばらく市場的には伸びていきそうです。
日本冷凍食品協会の実態調査も年齢別の傾向分析が、CCCマーケティングさんの記事では年齢別に好まれる商品の傾向なども書いてあり、とても勉強になるのでよろしければご一読ください。
おまけ
ちなみに、我が家の冷凍食品の消費量が増え、上の子が高校生になってお弁当も始まりましたので、今までの冷蔵庫のキャパには入りきらなくなってしまい、専用の冷凍庫を別途1つ追加購入しました。それでも土日には子供達も消費しますので、常時中身を補充しておかないとすぐなくなってしまいます。
"冷凍庫"というワードの検索数も年々伸びているそうですから、メーカーや家電量販店の方は、使いやすい冷凍庫に注目してみてはいかがでしょうか?
ソーシャルメディアで最新情報をお届け