白ワインと売場のPDCAにまつわる経験談

暑くなったり、寒くなったり、梅雨空の毎日ですが...この時期になると、きまって私はキンキンに冷やした白ワインが飲みたくなります。(そんなにお酒は強くありませんが)

今回はそんな白ワインにまつわる経験談を書くことにしましょう。

グロサリーの係長時代のお話

あれは私が名古屋のお店にグロサリーの係長として、着任したばかりの頃。そのお店はとても売れるお店で、駅からも近いのですが、とにかく売場が狭かったので、いつもお客様で溢れかえっていました。

売場が狭かったと書きましたが、バックヤードも狭く...倉庫や冷蔵庫・冷凍庫は前任者の置き土産の在庫で埋め尽くされており、足の踏み場も無いくらい。初めてこの倉庫を見た時に途方に暮れたことを思い出します。それだけ倉庫が整理されていない状況だったので、このお店に納品される新商品は、在庫の山に埋もれてしまい、いつも他店と比べ売上が立つのが遅かったという問題点がありました。

それを打開すべく発注を止め、在庫を整理・把握し、処分を進めた結果、1ヶ月ほどで倉庫在庫が落ち着き、うまく回るようになりました。(この辺りの在庫整理のお話も、いつか触れたいと思います)そこまでいけば今度は攻めに転じる番です!データとにらめっこし、各ラインの売上や構成比を見ていると、ふとワインの売上が他店よりも高いことに気づきます。

データを見て仮説を立てると、今度は実際の売場に行き単品で数値を確認します。その仮説を立てているときに、たまたま親会社から直輸入の白ワインが新発売されるというニュースが飛び込んできたではありませんか。そのワインは南アフリカ産のシュナンブランという白ワインで、価格が安いのはもとより、味はキリッとした辛口。酸味の後に爽やかな余韻と微発泡をも感じ、飲んですぐにこれだ!と発注をかけました。

納品後には、エンドと呼ばれる目立つ陳列場所にドカンと大量陳列してみました。

白ワインが飛ぶように売れた!

その結果は...大当たり!まるで水のようにワインがどんどん売れていく様はこのお店ならではの光景だったかもしれません。また新商品の売上がなかなか発売日に上がらなかったこのお店で初の発売初日売上、それだけでなく地区内、全国でもぶっちぎりの売上記録をたたき出しました。

実は当時の上司からは、ワインを積極的に拡販する事を反対されていたのです。
「ビールや発泡酒はエンドに積む商品だが、ワインを積んで売れている店を見たことが無い」と。しかし私はデータと実際の売場で見た数値から必ず売れるという確信があったのです。

その後もこのお店でワインを定期的に仕掛けていき、ボジョレー・ヌーボー解禁時も前年を大きく超えた売上を記録。その反響でしょうか、翌年のボジョレー解禁時には地元テレビ局のインタビューを受ける事にもなりました。

思い返せば、売場でその時々に応じて必死にPDCAのサイクルを回していたことに気づきます。会社を挙げての売り込み商品や新商品、売れ筋商品も同様で、データを元に分析し、現場でPDCAを回すことで結果が変わることを実感しました。今回は白ワインの拡販に焦点を当てて書きましたが、他にもさまざまな成功体験を一緒に働く方々と共に築いてきました。こういった数々の経験(失敗談を含む)を積むことができるのが、お店や現場で働く楽しみや魅力のひとつですね。

白ワインを片手に、ふと急にそんな懐かしい話を思い出した6月初旬でした。

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