チェーンストアでChatGPTを活用する3つのアイデア

前回のChatGPTの記事に続きまして、今回はもう一歩踏み込んで、チェーンストアのどんな場面でChatGPTが使えるか?というアイデアを検証していきたいと思います。

まず初めに、ChatGPTとは何かを説明します。ChatGPTは、人間と同等に会話を行うことができる人工知能です。何百万ものテキストから学習し、自然な会話を生成できる能力を持っています。無料でも使用でき、業務を支援するために活用することもできます。

それでは、チェーンストアでChatGPTをどのように活用できるかを見ていきましょう。

1. マニュアルを生成する

ChatGPTを活用してマニュアルを作成することは、従業員の教育・トレーニングに非常に役立つと同時に、マニュアル作成にかかる時間を短縮してくれます。AIは必要な情報を明確に、一貫した形で伝える能力を持っており、それがマニュアル作成における重要なスキルとして作用します。

例えば、新商品の販売に伴う店舗スタッフのためのマニュアルをChatGPTに作成させることができます。自社の業種業態、商品の特徴、価格、販売方法など、要点となる情報を与えることで自動で作成されます。さらに、ぜひ既存のマニュアルやガイドラインをChatGPTに与えてみてください。「これは現在使用しているマニュアルです。この文章例をもとに次に与える情報から新たなマニュアルを作成してください。」などと指示すればOKです。ChatGPTはこうした情報をもとに新たな文章を作り出すことが得意です。

ちなみに、下記のマニュアルのサンプルは、「チェーンストアでChatGPTがどのように活用できるか」という会話の中で、
「新商品の販売に伴う店舗スタッフのためのマニュアルを具体例に書いてみてください」
とだけ指示して依頼した際に、ChatGPTが生成したマニュアルです。

フレッシュフルーツスムージー販売マニュアル

商品概要

新商品「フレッシュフルーツスムージー」は、厳選された季節のフルーツと、特製のヨーグルトベースを使用したスムージーです。この商品は栄養価が高く、フレッシュな味わいが特徴です。価格はMサイズが600円、Lサイズが800円です。

商品の説明

顧客が商品について尋ねた場合は、次のように説明してください。「このフレッシュフルーツスムージーは、季節のフルーツと特製ヨーグルトベースを使用し、栄養価が高く、フレッシュな味わいが楽しめます。サイズはMとLがございます。」

アレルギー情報

この商品は乳製品を含むため、乳製品にアレルギーを持つ顧客には推奨できません。また、フルーツの種類は季節により変わりますので、特定のフルーツにアレルギーがあるお客様には、必ずその日のフルーツ内容を確認してから提供してください。

販売促進

顧客が何を注文するか迷っている場合、新商品の「フレッシュフルーツスムージー」をおすすめします。また、ヘルシーな選択を求めている顧客にも特に推奨してください。

商品の取り扱い

スムージーは注文後に製造します。Mサイズは200ml、Lサイズは300mlのフルーツをミキサーに入れ、必要量のヨーグルトベースを加えて混ぜます。フルーツは毎日新鮮な状態を保つように補充し、冷蔵庫で保管してください。

このマニュアルを参考に、顧客に新商品「フレッシュフルーツスムージー」を適切に提供し、その魅力を伝えてください。また、店内のポスターやSNSを活用し、新商品の宣伝をお忘れなく。

なお、「フレッシュフルーツスムージー」なる商品はChatGPT自ら考えだしたようです。ChatGPTが面白いのは、情報が不足しているときに待ちになるのではなく、自ら想像して具体例となるアイデアを与えてくれるところです。故に「嘘をつく」「妄想」などとしばしば言われますが、ぶっきらぼうに「情報が不足しています」と返される応答より、どうにかこうにか答えを出してくれる姿にフレンドリーさを感じます。

2. キャンペーンのアイデアを一緒に考えてもらう

ChatGPTはクリエイティブな思考を模倣する能力があり、新しいキャンペーンのアイデアを提供するのに役立ちます。市場の傾向、顧客の好み、過去の成功事例などを与えると、新たなキャンペーンアイデアを提案してくれます。

例えば、ChatGPTには特定の祝日や季節に関連したキャンペーンアイデアを生成させることができます。夏の行楽シーズンに向けて、「夏の特別セール: 夏季限定商品を2つ買うと、3つ目が半額になるキャンペーン」などの提案をさせることができます。

ちなみに、1つ目のアイデアが多少イケてなくてもそこはAIです。「あと10個挙げてください」と言っても弱音を吐かずに考えてくれます。人間と違ってへこたれないというのもAIの良さではないかと思います。

どんな情報を与えれば良いのかわからない時も「キャンペーンを考える際に必要な情報を私に質問してからアイデアを考えてください」というように問いを与えれば、ちゃんと会話の中で情報収集し、より精度の高い回答を返してくれます。

3. お客様へのご回答案を作成する

ChatGPTは自然な会話を生成する能力を持っており、顧客からの質問や要望に対する返信を作成するのに適しています。この機能を活用することで、顧客サポートのレスポンス時間を大幅に短縮し、顧客満足度の向上に寄与します。

ChatGPTは、顧客からの質問に対する返答の生成に利用できます。例えば、顧客からの「この商品は再入荷しますか?」という質問に対して、「現在、その商品の再入荷は予定しております。具体的な日程については、再入荷次第お知らせいたします。ご理解とご協力をお願い申し上げます。」といった返答を生成することが可能です。
実際やらせてみるとAIだと侮れない、かなり精度の高い文章を作成してくれます。失礼な言い回しなどもほとんど見受けられません。

以前は対面接客での回答がほとんどでしたが、最近ではメールやチャットでの問い合わせに加え、地図サイトやグルメアプリでのコメント投稿も数が増えてきています。こうした問い合わせに前向きにコメント回答できることが良いのはわかっていても数が多くて対応しきれないこともあるかと思います。

それに、AIですからストレスに感じることがありません。これはちょっと面倒なクレームだな...と思われるお問い合わせにも、めげずに丁寧な文章を作成してくれます。お客様対応を行う方はどうしてもストレスを溜めがちですが、一度ChatGPTに考えさせることで感情の部分を切り離し、冷静な立ち位置で回答を行うことができると思われます。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

これらの方法でChatGPTを活用することで、チェーンストアは顧客満足度の向上、効率的な業務運営、クリエイティブなキャンペーン展開など、様々な面での向上を達成することができます。

上記に挙げた、

  • 真似が上手い
  • 何度依頼してもへこたれない
  • ストレスを感じない

というAIの特徴をうまく業務に活かしてみてください。

なお、ChatGPTに機密情報を与える際には学習させないように設定を施す必要があります。
Settingから Chat history & training をOFFにしてお使いください。

chatgpt_training_option.png

また、この文章の中で使用したGPTのAIモデルはGPT-4という有償のモデルです。

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