アイデア採用で輝く店舗

「どうすれば店舗スタッフのやる気を起こせるのか?」日々考えているチェーンストア企業の方は多いのではないでしょうか。
今回はこの問いに答えるヒントとして、ある外食チェーンのアルバイトの方の話をご紹介します。

その方は、日々の業務やサービスに関して「もっとこうしたらお客様に快適に過ごしてもらえるのに」「このやり方の方が効率的ではないか」と考えるなど、豊かな発想力を持っていました。

例えば、店内でレシートを捨てるための小さなゴミ箱が頻繁に落下する問題がありました。最初は両面テープで対処していましたが、埃の付着で粘着力が落ちるという問題が生じていました。そこで、その方は滑り止めシートを貼ることを提案し、これによりゴミ箱の落下を防ぎ、清潔さも保つことができるようになりました。大きな改善とは言えないかもしれませんが、このようなことの積み重ねでより良いお客様の体験は形作られるのだと思います。

このアルバイトの方も最初のうちは、アイデアを思いついてもなかなか店内で提案できませんでした。それは、初めてアイデアを店長に提案したとき、「本部からの規定で決まっているからそれはできない」「あまり効果が無いのではないか」という理由で採用してもらえなかったからです。それ以降、提案に後ろ向きになってしまいました。
しかし、ある日偶然来店していたスーパーバイザーにアイデアを話したところ、すぐに採用してくれました。その日以降も、面白くなって次々にアイデアを提案すると、そのスーパーバイザーは次から次へと採用してくれ、改善の結果がすぐに目に見えるので仕事がどんどん楽しくなっていきました。
今、その方は事情があり一時的に離職していますが、落ち着いたときには、ぜひ元の職場に戻りたいと話しています。

この話から学べるのは、スタッフの意見に注意深く耳を傾け、良い意見を柔軟に採用することが、本人のやる気につながるということではないでしょうか。待遇は他社と大きく差をつけるのが難しいものだと思います。それよりも、スタッフ本人とマネージャーが、本人のやる気につながるような情緒的な関係を築けたら、より長くその職場に留まり、活躍してもらえるのではないでしょうか。スタッフのやる気が日々のサービス向上やよりよい改善案の発見につながり、店舗のサービス向上が売上や利益につながります。

そのためには最初の一歩が重要です。この方の場合、はじめのうちは店長が意見を否定してしまっていたので、提案することに臆病になってしまっていました。アイデアを受け入れたスーパーバイザーのように、スタッフの意見に注意深く耳を傾け、「思い切ってやってみよう」と背中を後押しすることが重要なのではないでしょうか。

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