失敗からの学び:業務指示の重要性

先日、前職に入社した際の初めての上司と久しぶりに会って食事をしました。あれから20年以上の月日が経ちましたが、会うとあの頃の色んな話が湧き出てきます。

新入社員の頃

私が前職に入社したのは2004年4月でした。内定式も入社式も入社時の研修も全て東京でしたので、配属も東京かと思いきや、研修の最終日に告げられた配属先はなんと京都にあるお店でした。

大阪の実家から通えるのでホッとしましたが、関西でも旗艦店舗と呼ばれており、客数も売上も多いお店だったため、私に勤まるのだろうか、社会人として真っ当に生きていけるのだろうか、と不安で押しつぶされそうな気持ちの中、初出社を迎えました。3日、3週間、3年はとにかく石に噛り付いてでも働こうと思っていました。

そして初めて上司とお店で対面しました。

「佐藤です、よろしくお願いします。」と挨拶すると、一言目から「辞めんなよ。」と上司から返ってきました。
「ええっ!?そんなにきついの?すぐに辞めちゃいそうなの?」と心の中で呟いた瞬間は、今でも夢に出てきます。

そんな会話から始まった小売業の社会人生活。

仕事面...の話で言うと今でも笑われていますが、とにかく品出しもご飯を食べるのもゆっくりでした。でも安心してください、1年も経てばスピーディーに物事をこなせるようになります。ご飯はこの経験のおかげで人よりも食べるスピードが早くなりました。

パートさんたちからもたくさんの刺激を受けました。母よりも年上のパートさんたちと新入社員の私。当然経験は皆さんが上ですが、上司が不在の時は私が売場のオペレーションを回さなくてはいけません。お願いをする事もありますし、指示をしなくてはいけない瞬間も現れます。

業務指示の失敗談

指示を出すという行為はそれはそれは難しい事でした。具体的に行動を依頼しないといけませんし、ゴールを定める事が重要です。そしていつまでに?という期限を明示しないとそれでは業務指示ではありません。業務指示の進捗の確認はもちろん、最後に指示した内容に沿っているかどうかの出来栄えを確認して初めて業務指示が完了します。

ある時、上司の発注とパートさんの発注、私の発注がトリプルでダブってしまった事がありました。忘れもしないキャノーラ油事件です。当時の古いシステムは重複していても発注数量がそれぞれ生きてしまい、忘れた頃に4トンの特車数台でキャノーラ油が何パレ(かご車の事)も納品され、大混乱となりました。店舗の後方には保管できるほどのスペースがありませんでしたので、無理を言って物流センターで在庫を置いてもらう事にしました。皆さんにご迷惑をかけてしまいましたので、上司と物流センターへ足を運んで汗だくになりながら「なんとかしよう!」と2人でキャノーラ油の在庫整理に明け暮れました。

その後、どうしたかというと...いつもより安く提供させていただいて何とか在庫を処分しましたが、これは業務指示が遂行されているか相互確認が漏れてしまった結果でした。そのせいで在庫を抱え、無駄な作業や値下げを生み出してしまいました。

こういった様々な経験をしながら業務指示の出し方や伝え方、フォローアップはどこまですれば良いかを学んだ新入社員時代。20年経っても当時の上司とお付き合いできることに感謝していますし、「なんとかなる!」というポジティブな気持ちを持ち続けることの大切さを学びました。

挫折や失敗はつきものですが、その中から気づいた事は確実に自分の成長につながっている貴重な経験です。業務指示の明確さや確認の重要性を改めて認識すると共に、指示を出す側と受ける側、両方の立場を経験することで、業務指示のポイントを掴むことができました。同じミスを繰り返さないために、業務の進捗状況を常に確認し、コミュニケーションを密に取ることが必要だと学んだという経験談でした。

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