リテールテックでのご相談数No.1!「ツールのバラつき」を2ステップで整理する方法
今年も3月のリテールテックでは店番長ブースを出展させていただきました。
初めて9コマというスペースに拡大し(これまでは6コマ)、どれだけの方に来て頂けるか不安もありましたが...
終わってみれば弊社メンバ全員が休憩を取る暇もないぐらい、非常に多くのお客様にお立ち寄り頂きました。たくさんのご来場、誠にありがとうございました。
私自身もブースに立ち、初めて店番長を知りご関心頂いたお客様、150名ほどの方々と深い会話をさせて頂きましたが、チェーンストアにおける人手不足の深刻さ、その問題を解決するために必要な生産性の向上と実行力の強化の重要性を改めて認識した次第です。
今回は、その会話の中で特に相談が多かった「業務指示で使うツールが各自バラバラで実行が漏れる」というお悩みに関して弊社がお勧めする整理方法をお伝えしたいと思います。大きくは、2つのステップで進めます。
STEP1. 直近1週間に店舗へ発信された指示をリスト化する
この作業をお願いすると、ため息をつかれてしまうご担当もいらっしゃいます(笑)
その理由、よくわかります。
小売の中でも特にスーパー、GMSは指示量が膨大で、1日あたり20件以上発信する場合もざらにありますので、まとめるだけで一苦労です。
だからこそ厳密さは求めません。大よその見取り図で十分です。以下のポイントをわかる範囲でExcelなどにまとめてみてください。
・発信部門
・発信ツール
・タイトル
・宛先(店舗 or 個人)
・報告で求める内容
・店舗の報告割合(既読/未読割合でもOK)
この作業で大事なのは、発信ツールの中で店舗からの報告割合が高かったツールはどれかを見つけ出すことです。
そのため一つ一つを深堀せず、着実に進めていくのがコツです。
リストアップが終わると、全体像が見えてきます。
一般的には、「メール、掲示板のお知らせ、チャット」などのツールが登場してくるかと思います。
STEP2. 情報の重要度と宛先でツールを配置してみる
まずは下記の図をご覧ください。横軸に宛先、縦軸に情報の重要度を表したワークシートです。
情報の重要度とは、毎日見ておかなければ業務に影響が出るものを「高」として定義しています。
店舗にとって業務指示はまさにこの「高」にあたるので、業務指示に適切なツールは必然的に右上のゾーンに決まります。
さきほどの業務指示ツールのなかで、店舗の報告割合が最も高かったツールをここにマッピングしてみてください。
この簡単な2ステップで業務指示ツールの整理が完成します。
一見簡単そうに見えますが、これが店舗の実行力を大きく左右します。
PDCAで改善するのが解決の早道
補足として、私がこのステップをお伝えすると、
・こんなに大胆にやったら余計に抜け漏れが起きそうで心配
・全社に関わることをこんな簡単に決められない
など、言われることがあります。
大丈夫です、今よりも悪くなることはありません。
一番店舗が報告をくれる(よく見る)ツールに集めているのですからこれで漏れるならば、どのツールでやっても漏れると思った方がいいです。
パソコンを見られる時間が制限されているから、指示が多すぎて探せない、指示ではなくお知らせだと思ってスルーした、などは実行漏れが起きる際の典型的な例です。
※ちなみに隠れて別のツールでまだやっているというケースがありますが、これは店舗に定期的にアンケートを取ってみるとわかります!
指示の質や量、環境など、今まではツールがバラバラ問題で止まっていたのが、全く別の原因が見えてくるはずです。
実はこれが狙いです。
業務指示オペレーション標準化の本質的な改善を進められるステージになったと言えます。
現状整理はほどほどに、まずは今を変えてみることをお勧めします。継続的な改善に時間を使った方が、ツールの評価はもちろん、より本質的な業務改善に切り込むことが出来ます。
実際、1か月でこの2ステップを終わらせて、本質的な改善に取り組むこと約3か月で大きく実行力を上げた企業も見てきました。
以上、この記事が皆様のご参考になれば幸いです。
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