アイデアを募るときはハードルを下げる

前回の私のコラム「スタッフの意見へフィードバックする重要性」で、店舗スタッフから業務改善のアイデアを集める難しさについて触れました。
その時に紹介した原因は、アイデアを評価する本部に対する不信感でしたが、これ以外に見過ごせないのは、そもそもスタッフにとってアイデアや好例を本部に伝えることはハードルが高いということです。

先日、あるチェーンストアの店舗スタッフ数十名に、アイデアや好例を報告することが難しいと感じる理由を聞く機会がありました。結果として、「アイデア」や「好例」という言葉に対して過度にプレッシャーを感じていることが分かりました。

本部としては、些細な気づきでも改善のヒントになるため、完璧な案でなくても多くの意見が集まった方が業務改善に近づきます。しかし、スタッフは「すごい意見」でなければならないと感じてしまい、自分の意見を言えないでいる。このギャップこそが解消すべき課題だと感じました。

もし業務改善のアイデアや好例が集まらないと感じたら、スタッフが感じるハードルを下げるようなコミュニケーションを試してみてはどうでしょうか。例えば、以下のようなメッセージです。
「解決策まで思いつかなくても、気づいた課題だけでも歓迎です。どんどん意見してください!」

こうしたとき、「取るに足らない意見ばかり集まっても困る」と思う本部の方がいるかもしれません。しかし、現場が遠慮して言うべきことを本部に報告できない企業よりも、本部が現場の気づきを尊重し、どのような意見にも耳を傾ける企業の方が、将来は明るいのではないでしょうか。

チェーンストア企業の皆様を支援する立場の私としては、店舗スタッフの方がもっと気軽に本部に意見を言えるようにし、本部の方がもっと効率的にスタッフの意見を評価できるようなお手伝いをしていきたいと思います。

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