相反することの両立

1ヵ月程前に、あるチェーンストア様の総会(表彰会)に参加させて頂きました。
この企業様は、近年著しい成長を続け昨年には上場も果たされた企業様です。

この表彰会では、店舗単位での表彰を行っていましたが、表彰の切り口の多さに驚かされました。
例をあげると、売上、リピート数、新規顧客数、クレーム数、チラシの配布数、重点商品の販売数について、評価期間での上位や、一昨年との比較による進捗率の伸びなど、恐らく40項目程の切り口で表彰されていたと思います。

ここまで、多くの切り口で表彰する意味は、本部と店舗との関係性を高めるためだろうと思います。
つまり、本部は店舗の良いところを色々な視点で見ていますよという意思表示になりますし、店舗もそこまで見てくれているのだという喜びにつながります。
実際、表彰された店舗の方々の発表を聞いていますと、涙ながらに表彰を受け喜びのコメントをしており、自分の店舗や仕事に対する熱い想いが伝わってきました。

ここで、一つの疑問が湧いてきました。昨今、モチベーションアップやほめて伸ばすと言った類の本や雑誌が多くありますが、本当にほめるだけで業績が上がるのだろうか?という疑問です。

そんな目でこの表彰会を眺めていますと、あることに気づきました。
それは、この企業の行動指針の中に「凡事徹底」ということを掲げられているということです。凡事徹底とは、誰でも出来ることを徹底して実行するということです。例えば店舗運営においては、店舗の清潔さは非常に重要なファクターになります。店舗の清潔さを保つためには、掃除が必要なわけですが、これを毎日、決まった品質で行うということで非常に難しいものです。

恐らくこの企業様は、この様な凡事を徹底する厳しさ(言い換えれば強制力)も持っており、その上で店舗スタッフのやる気、モチベーションを高めるために表彰会を開かれているのではないかと思いました。

良い企業になるには、やるべきことをやるという厳しさと、スタッフのやる気を引き出すという、強制と自立性の様な一見相反することを両立させることが必要なのではないかと気づかされました。
そして、このエッセンスを、何とか店番長を通じてお届けできないものかと考えた次第です。

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