外国人労働者の受け入れ

日本が外国人労働者への門戸開放へ大きく一歩を踏み出しそうです。逼迫した労働市場の要求に応えたものとして評価する向きが多いのではないでしょうか。世界的に見ても群を抜く少子高齢化がもたらす労働力不足は20年以上前からわかっていたことで遅きに失したと言っても過言ではありません。私自身一貫して外国人の受け入れ論者として主張してきました。数年前までは。

しかし、ここ数年で私の考えは大きく変わりました。そう、このコラムでも何度となく書いているAIとロボットによる社会への影響です。農業や製造業におけるかなりの単純作業はAI・ロボットに置き換わる中、本当に外国人労働者への門戸開放を進めていいのでしょうか。ヨーロッパの現実を見るととめどもなく社会的なコストが増大するだけでなく、多くの国で極端な保守への傾倒が見られます。国の在り方としてとても危険な状況に陥っています。

AI・ロボットによる雇用への影響と外国人労働者受け入れの議論は密接につながっているにもかかわらず、同じ土俵の上で定量的な視点で議論しているのは見たことがありません。政府や国会、マスコミ、識者などによる、活発な研究や議論をぜひとも待ちたいものです。それを待たずに極論的な私見を書けば...外国人への門戸開放に伴う大きな社会コストをもし、AI・ロボットの研究開発に置き換えたらどうでしょうか。日本の基礎力をもってすればAI・ロボットの発展に驚くべき結果がもたらされます。

とは言え、サービス業での人手不足は現実のものとして大きな問題なのも事実ですから、あくまでも、実際には必要な人材に限った門戸開放政策とのバランスがどうしても必要になるのでしょう。先進国は少子高齢化のなみに飲み込まれます。日本が先陣を切ってAI・ロボットとの共存の姿を実現しあらゆる形で輸出できたら、こんな明るい未来はありません。

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