この世に生を受けて

人は誰でも大きな負債を抱えて産まれて来ます。両親や病院、看護師さん、どれ一つかけても生きていけません。成長と共に更に負債は大きくなります。引き続き両親に育ててもらい、学校の先生にはまた自身の成長にとって負うところが大きい。幼少時でも多少返済できるようになります。赤ちゃんの転がるような笑顔や元気で育って行く姿は両親やジジババ達の生きがいになっていきます。

このように世の中から自分が与えられる物をマイナスに、自分が与える物をプラスと考えて日々点数をつけるとしたら誕生から死ぬまでのグラフができますね。普通は成人になるまでこのグラフは水面下を推移して、社会人となった後浮上していくでしょう。

人生グラフの積分(マイナス面の面積+プラス面の面積)をいかに大きくするかが人生の意味だと思って生きてきました。大きくするやり方は千差万別。私は司馬遼太郎と坂本龍馬のおかげで起業することができましたが、彼らの人生積分を多少太くしたでしょう(両者ともすでに死んでいますが)。司馬遼太郎は作品を書いたことで、龍馬はその生き方そのもので、誰かの人生に貢献しています。

イノベーションは積分値をとてつもなく大きくします。山中伸弥先生のiPS細胞の発明は社会に筆舌に尽くしがたい貢献となり、この激震は今後の再生医療の基礎を作っていくことでしょう。なんと太い人生グラフでしょうか。インドの独立を勝ち取ったガンジー、6000人ものユダヤ人の命を救った杉原千畝。ぶっとい人生グラフです。今あなたの周りを見回せばほぼ全ての物が過去の誰かのイノベーションです。名前も知らない人ですがこれも太いグラフですね。

さらに俯瞰し、全人類の人生グラフを全て積分した時、この値が日々大きくなっていくことが人類の文明の進化ということだと思います。こういう事に貢献出来る生き方ができたら積分値もおおきくなり本望だと思って生きてきました。そしてこれからも。

これで私の「今日の一言」は最後となります。長年ありがとうございました。
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