リアル店舗は、どう変化すればよいのか?

アマゾンエフェクト、少子高齢化、インバウンドなどの市場変化に対し、リアル店舗は今後どう対応していったらよいのでしょうか。
そのヒントになる記事が、9月号のダイヤモンド・チェーンストアに掲載されていましたので、ご紹介したいと思います。
記事よるとアマゾンエフェクト下で米国の小売業が大きな影響を受けているなかでも、小売業の売上高上位10社すべてが前年に比べ増収になっているとのこと。記事にはランキング上位150社の売上情報が掲載されていましたが、上位に近い企業ほど前年比増収の企業が多いように見受けられます。その要因は、徹底的に効率を追求することと、単に「モノを売る」という店舗の役割を見直し、価値観を共有するなど消費者との関係性づくり、いわゆる「コトづくり」に活路を見出してきたことにあるようです。
徹底した効率化例としては、レジレスやモバイル決済など店舗スタッフ業務の効率化だけでなく、宅配サービスやオンラインで注文した商品を店舗の駐車場で車に乗ったまま受け取ることができるカーブサイド・ピックアップという消費者にとって効率的なサービスもでてきているようです。
消費者との関係作りの取り組み例としては、老舗百貨店のノードストローム社の例が出ていました。ノードストローム・ローカルという百貨店では、店舗にプロのスタイリストを配置し、来店されたお客様に無料で服のスタイリングサービスを提供しているそうです。しかも、店舗に在庫は置かず、商品の購入はオンラインで行う形です。これは、在庫管理がしやすいということ以外に、消費者にとっては店舗商品を売りつけられるというプレッシャーがなくなり、スタイリストのアドバイスに集中できるという効果もあるようです。
その他の取り組みとしては、食料品売り場にレストランを配置したグローサラントや、家族で利用できるヘアサロンを店舗に配置し新しい顧客の獲得を狙うような試みをされている企業もあるようです。
これらの取り組みは、どれが正解かはまだ分かりません。しかし、試行錯誤をおこなうことで店舗の新しい価値がどんどん生まれてきますので、消費者にとってはとても楽しみで、その話題性自体が小売業への期待につながっているように思います。
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