12月商戦と反省録

12月は売場の切り替えが目白押し

早いものでもう12月。小売業に従事する皆さんにとっては年末商戦に突入していることと思います。私も前職のスーパーで働いていた頃、この時期になるとやけにワクワクしながら働いていたのを思い出します。(疲れる事も多いのですが)

冬至から一気にクリスマス商戦に突入し、その後はすぐに売場をおせちの準備のために大々的に切り替えます。銘店売場では福袋や帰省手土産を陳列。グロサリーでは基礎調味料、上生菓子、のし餅、もち米、餅とり粉といったこの時期必要な商品の売場準備も抜かりなく進め、鏡餅の集約と年越しそば売場の準備...これら全てを計画的に切り替えを進めていくダイナミックな時期がこの12月です。

メモ魔になって反省録を作成

私はこの時期には決まってメモ帳を片手に朝晩と売場をくまなく歩いて、メモ魔と化し、メモ帳を真っ黒にしていました。何のためか? と言うと、反省録を作成するためです。前職では反省録のことをCOE(コレクト・オブ・エラー)と呼んでおり、この反省録は単なる作業ではなく、次年度の計画に活かさないと意味がないものとなってしまいます。下手をすると昨日の晩ご飯何を食べたのか?すら忘れてしまうのに、1年前の年末商戦なんて忘却の彼方となることがほとんどですから。

売場のどの場所に、どの什器で、どのように陳列したか? を売場MAP(前回のFPMの記事をご参照ください)を使って残します。その時の売場の写真も日別に撮影して残します。

大きな売場展開の反省録も重要ですが、この時期は定番売場の商品動向のほうが個人的には非常に重要な要素でした。特に時期になると急にがばっと売れ出す商品。例えば水あめ(主に田作りや栗きんとんを作る際に使用します)などは、普段はさほど売れないにもかかわらず、年末にかけて急に動き出すので要注意です。時にはなぜこの商品が売れたの?というものもあり、仮説を立てて次年度に活かすようにメモしていました。

角砂糖が年末に売れた!?

名古屋のお店では、年末に急に角砂糖が売れていることに気付きました。なぜか?と思いましたが、いろんな人の話を聞くと、喫茶店文化が根付いているため、新年は美味しいコーヒーと一緒に角砂糖でおもてなしをすることが多いのでは?という仮説にたどり着きました。売場を見ると確かに角砂糖だけではなく、ちょっといいお値段の珈琲豆(しかも自分で挽く本当の豆)も同様に売れていました。このようになぜその商品がこの時期に売れたのか? を仮説でもいいので把握しておくことがポイントで、来年の計画や売場で注意すべき商品への発注に活かすことができます。

また反省録は商品が売れたり売れなかったりするだけでなく、必ず来年の発注数量も記入していました。思ったより早く品切れした場合はプラス2C/S(ケース)などといった具体的な数値で。特におせち商材のPOPの裏には何日の何時に品切れしたか? を必ずパートの方々にも記載してもらい、回収BOXを作って後で全部点検できるようにしていました。売れなかった商品に関しても、展開場所が悪かったのか? それとも発注が過多だったのか? を記載し、次年度はマイナス3C/Sでよいと記入しておくと、来年の発注がほぼ確定したも同然です。

忙しいからこそ反省録を

忙しいこの時期だからこそ、今年のうちに来年の計画に役立つ反省録の作成に取り掛かっておくことをお勧めします。スーパーでは特に年末3日間の商売がそのお店の通知簿だと言われるように、ハレの日のお買い物は自分が最も信頼しているお店で購入するはずです。今年の年末年始の皆さんのお店の客数は、昨年に比べどうでしたか?

前へ

じっくりと育てていきたいAI機能

次へ

生成AIで店舗運営を支援する新機能を提供開始!