店舗のスピードアップと実行力を100%引き出す方法【後編】実践編

前編では、

  • 顧客のライフスタイルが体験価値重視に向かっていること
  • そのためには本部が考えた戦略や施策を如何にして店舗が100%実行することが大切か

についてお話ししました。

後編では実践編として、店番長を実際にご活用いただいているお客様の成功体験から、店舗の実行力100% を引き出すメソッド(方法)をご紹介します。

「実行力」の傾向と対策

まずは実行力から見ていきましょう。
店番長において実行力とは、指定期間内の「全指示数」のうち店舗が「期限内に回答できた件数」の割合を指します。

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実行力を横軸にした店舗数分布を見ていくと、真ん中(一般的には40%)を中心とした分布になることはほぼありません。実際によく見る2つのパターンの原因と対策をご紹介します。

まず1つ目は、実行力が二極化するパターンです。100%近く実行できる店舗と0%の店舗に分かれます。

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原因は、店長やエリアマネージャーに依存していることが多いです。もしかしたら実際には実行しているのかもしれませんが、本部に報告がなければ状況を測ることはできず対策ができません。個別の判断を優先してしまっている店舗が存在することで、一部店舗がブランディングを著しく損ねる可能性があります。
また、メールなど他の手段で指示が並行して飛んでいるときにもこうした状況が起きます。
対策としては、各店舗が独立独歩の方針を取らず、チェーンストア・オペレーションの考えに基づき実行と報告を行う責務があるということをしっかり浸透させていく必要があります。実行力を評価指標に組み込んでしまう方法もあり、実際そのようなお客様もたくさんいらっしゃいます。
メールによる指示が並行している場合は、メールで指示を出している本部の担当や役員などにもしっかりと説明をして、全体の取り組みや主旨について理解してもらう必要があります。

2つ目は、多くの店舗で高いレベルまで上がっているのに100%になかなか上がりきらないパターンです。

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原因は、指示自体が多い、緊急の指示が多い、指示がわかりづらい、といった傾向があります。店舗での実行〜報告の習慣化は概ね問題ないのに、本部が店舗状況に合わせて指示を出すことができず、一方的に指示を送りつけてしまうとこのような状態になります。一見すると大きな問題はないように見えますが、慢性化すると徐々に実行力が低下し、店舗によってブランディングやサービスの提供状況にばらつきが生じてきます。
対策としては、指示を断捨離して全体の件数を減らす、局所的な時期の集中を避けるため計画的に発信するようにする、わかりやすくすぐに実施できる指示の出し方や書き方を心がける、といった方法が考えられます。

「実行スピード」の傾向と対策

次に実行スピードです。
実行スピードは、指示を開始してから終了するまでの期間の平均日数と、店舗で実行して回答するまでの平均日数を見ていきます。

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1つ目は、店舗の実行スピードが全体的に遅いパターンです。

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原因は、指示件数が多く店舗の負荷が高すぎる可能性があります。本部からの指示があまりなく、そもそも店舗側のシフトや人員の都合で常に負荷が高いケースも考えられます。
対策は、指示の量を見直す、店舗での業務配分を見直す、担当者のシフトを見直し指示に対応できる人員や時間を確保する、などが考えられます。基本的に、店舗で起きていることがデータで見える化したら、そのシグナルを見逃さず、しっかり対策することが肝要です。

2つ目は、指示の期限が短すぎ、本部が無茶振りしているパターンです。

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原因は、緊急の指示が多すぎ、ギリギリまで引っ張って慌てて発信する本部担当者がいる、店舗のSOSを見逃してしまっている、といった理由が考えられます。
対策は、指示を前もって計画的に出すようにし、店舗がこなせるように全社でしっかり運用ルールを決めて指示を発信していく必要があります。誰が緊急の指示を出しているのか、それは本当に緊急でなくてはならないのか、それらを透明な形で運用していくことで、本部の都合ではなく、店舗に合わせた運用体制が形作られていくことになります。

3つ目は、期間に余裕を持ちすぎているパターンです。

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原因は、いつ見ても良いような重要でない指示をたくさん出してしまっている、いつ店舗で指示を実行するべきなのか本部がちゃんと考慮できていないといったルーズな運用ケースです。
対策は、重要でない指示は閑散期に出すなど店舗で実行できるペースに合わせて期限を決め、テンポよく実行できるように指示の発信時期を調節し、店舗の視点で整理してあげることです。こういう連絡は何曜日、こういう通達は月中に出す、といったルールを決めるだけでも店舗は予定を立て計画的に動けるようになり、全体が効率化します。

こうした点に着目し、店舗からのフィードバックを数字で確認し、問題がなければ指示の期間を少し早めていけば、全店で対応スピードを上げていくことが可能です。

このように実行力や実行スピードを見える化し、改善を進められたお客様の事例をご覧いただけます。
ベーカリー&カフェチェーンの京王食品様では、本部とのスムーズな連携で店舗の実行力100% を達成しました。
鉄道模型チェーンのポポンデッタ様では、実行までのスピードを格段に上げることに成功しました。
各社様の改善のノウハウは、導入事例のページから抜粋をご覧いただけます。詳しく知りたい方は各資料のダウンロードフォームをご利用ください。

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