待ったなしのデジタルトランスフォーメーション(DX)
コロナ感染拡大が叫ばれる前、日本企業にとって人手不足が大きな問題でした。
コロナ禍で、宿泊・飲食業など一部の業種では、人手が過剰になってしまっているというニュースが頻繁に目にするため、人手不足は過去の問題のように感じてしまいますが、コロナ禍においても、その他の業種においては、人手不足が続いています。
昨年12月の全国企業短期経済観測調査では、雇用が「過剰」と答えた企業の割合から「不足」の割合を引いた雇用人員判断指数が、全産業でマイナス10という値でした。最初の緊急事態宣言後の6月はマイナス6だったため、再び不足感が強まっていることになります。
人手不足は、つまり採用難ということになりますが、一昨年までは、新卒者採用に関して、経団連が採用活動のルールを設け、大手企業による青田買いを押さえてきました。しかし、21年春入社以降の新卒者に対しては、このルールが撤廃されたため、採用競争が厳しくなっています。
とくに、中小企業にとっては、良い人材を採用するどころか、採用すら難しい状態になると予測されます。
人手不足への対策としては、外国人や女性の労働力を活用するか、ITやロボットを活用し生産性を上げるという方法がありますので、考察してみたいと思います。
まず、外国人労働力の活用においては、コロナ感染拡大の防止により外国人の流入が減っています。入国者から出国者を引いた人数を見ると20年1月から7月までの7カ月間で11万5千人、前年同期の20万4千人に比べ4割も減少しています。
また、コロナが落ち着いたとしても中国の人件費が上がっているようで、これまでのように日本に働きにくるかは分からない状況です。その為、外国人労働力をあてにするのは難しいと見ておいた方が良いと思います。
次に、女性労働力の活用においては、欧米諸国に比べまだまだ低く、改善の余地があります。その為には、女性の賃金改善、管理職へのキャリアパス、結婚・出産・子育てにおける規則の見直しや負担軽減対策が必要です。
しかし、男性、女性ともに、今までの慣習や意識が足かせになり急激に改善することは難しいように思われます。
こうなると前々から言われていたITやロボットを活用し、ビジネスモデルの変更をも視野に入れたデジタルトランスフォーメーション(DX)に取組み、生産性を上げ少人数でもビジネスが回るようにすることが、唯一残された対策であり最も効果的だと思われます。
しかも、ワクチン接種の普及によりコロナ騒動が収束してくると、人手不足の問題は更に顕在化されてきますので、今、本気でDXに取組まないと、淘汰されてしまう危険性が高くなり、もう待ったなしの状態ではないかと思います。
先日、CEOを辞めたAmazonのジェフ・ベゾス氏は、各部のリーダーに対し、担当分野でAIをどのように活用できるか計画を求め、「計画ありません。」という回答は一切受け入れなかったというエピソードがあります。
ECという新しいビジネスモデルを築いたAmazonでさえ、貪欲にDXに取組んでいます。
日本の企業はそれ以上に頑張らないといけません。特に小売、飲食業などはDX化が遅れており生産性が低いと言われていますので、尚更ではないでしょうか。
しかし、裏を返せば小売、飲食業は、DX化により大きな改善余地が残っているということでもあります。
是非、このタイミングを逃すことなく真剣にDXに取組んで頂きたいと思います。我々は、その支援を徹底して行わせて頂きます。
コロナ後の飛躍を目指して、この正念場を乗り切りましょう!!
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