中所得国の罠と民主主義

先日、「中所得国の罠」という言葉を知りました。
これは、発展途上国の多くが、国民1人当たりのGDPがだいたい1万ドルくらいの中所得国までは成長できるが、その後成長が鈍化し、高所得国になかなかなれず、落ちてしまう。この現象のことを、中所得国の罠と呼ぶそうです。

そして、この1万ドルの天井を超えるには、社会的な構造変革が必要で、民主主義でないと、超えられないとのことです。

この民主主義で無いと1万ドルを超えられないという点が気になりましたので、データをかき集めて確かめてみました。

下記の図は、横軸が国民1人当たりの名目GDP(単位はドル)です。
縦軸は、民主主義指数といってエコノミストが発表している民主主義のレベルを測定した値になります。
民主主義指数は、選挙過程、政府機能、政治参加、政治文化、市民的自由という5つのカテゴリを調査しスコアリングしたものです。数値が高いほど、民主化が進んでいるということです。

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この図を見ると、1人当たりのGDP額が20,000ドルを超えている国は、産油国であるサウジアラビア、バーレーン、クウェート、アラブ首長国連邦、カタール以外は、民主主義指数が6以上と民主化が進んでいる国であることが分かります。

GDP世界第2位の中国はというと、1人当たりのGDP額が約10,000ドルですので、中所得国の罠を超えられるかといったところにいます。高所得国になるには、民主化できるかが大きなポイントになるように思いますが、香港情勢を見ていると、今後の成長はかなり苦労するのではないかと思います。

ちなみに、日本は1人当たりのGDP額が約40,000ドル、民主主義指数が約8と言ったところで、俯瞰してみるとなかなか良い国のように見えます。

企業の成長と民主化

中小企業では、良く売上3億円とか5億円とかの壁があると言われますが、実感として中所得国の罠と合致するように感じられます。
仮に合致するのであれば、企業における民主化とは、何でしょうか。
民主主義指数の選挙過程は人事の透明性と公平性。政府機能は経営機能。政治参加は社員の経営参加。政治文化は企業文化。市民的自由とは社員の裁量度でしょうか。
ともあれ、中所得国の罠と民主主義指数の関係は、企業経営においてもとても興味深い内容です。

さて、我がリンコムは、独裁国家か民主国家か?

【参考データ】
国民1人当たりの名目GDP
https://www.globalnote.jp/post-1339.html
エコノミストの民主主義指数
https://www.eiu.com/n/campaigns/democracy-index-2019/

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