稟議申請の無駄な時間は、会社に莫大な機会損失を与えている

会社業務においては、稟議申請の承認行為が少なからず存在するのでは無いでしょうか?例えば、旅費精算申請、残業申請、住所変更申請など経理や総務関連のものから、企画書の申請、値引き申請、クレーム申請など本業におけるものを含めると非常に多くの申請承認行為が行われているのでは無いでしょうか。

しかし、この申請承認行為において常に見直し効率化を計っている企業は、まだまだ少ないように思われます。
効率化を考えたとき承認者の数を減らすことと共に、1つの承認を行うまでの時間短縮についても考えなければ成りません。「申請」と「承認」の間、又は「承認」と「次の承認」との間には、

  1. 移動時間:申請書を次の承認社の所まで届ける時間
  2. 放置時間:承認者の机の上におかれている時間
  3. 作業時間:申請書を確認し承認行為を行う時間

という3つの時間帯があります。

実際、効率化を目指した場合、究極的には(3)の時間だけにすることであり、(1)(2)は無駄な時間であります。当たり前なことですが(1)は、物理的な距離に比例して時間がかかります。社内で回す稟議申請に比べ、支店など外部からの場合、申請物を郵送したりしていると1日や2日は時間がかかります。単純な計算をしますと、支店からの申請が月に60件程あり、本社への申請に1日かかっているとします。その場合、60件×1日で月に60日分、時間に換算し1440時間の無駄な時間が発生していることになります。

(2)は、承認者が席を外しているなどの場合を除いたとしても、むやみやたらに机の上で申請書が止まってしまっていることも多いのでは無いでしょうか?最悪の場合、申請書が回ってきている事すら忘れてしまい2,3日放置されているなどと言うこともあるのではないでしょうか。(2)の時間帯は、承認者に依存する部分が多いのですが、必要以上に放置されているとなると無駄な時間であるということに成ります。

では、これらの無駄な時間がどれだけの影響を会社にあたえているのかを考えてみましょう。例えば、営業に関わる申請の場合、お客様をこの時間帯待たせていることになり、営業機会をみすみす見逃していることになりませんでしょうか。乱暴な考えではありますが、(1)での計算に当てはめると、1440時間分の営業機会を失っていることになり、これは約営業員9人月分の時間に相当します。もし、自社の営業員がお客様に対して「社内稟議に回していますのでしばらくお待ち下さい。」と言うようなことを言っていたら実際に営業機会を失っている危険信号かもしれません。

確かに、申請する内容や、会社の業種、業態により試算は異なってくると思いますが、一度自社の稟議申請における無駄な時間を考えて見ては如何でしょうか?非常に大きな損失をしていることが分かるのでは無いでしょうか。

次回は、どうすれば申請承認行為を効率化出来るかについて記して行きたいと思います。

(この記事は、過去に配信されたリンコム通信のバックナンバーです)

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