価格以外のニーズに焦点をあて販売する重要さ
先日、念願が叶いリテイルサイエンス社の大久保恒夫さんとセミナーを行いました。
そのとき、大久保さんが、「小売業は価格以外のニーズにもっと焦点をあてて販売するべきである。」と言われていたことが強く印象に残っています。
価格以外のニーズとは、例えば食料品であれば、簡単な調理で食べることができる、美味しい、健康に良いなどということです。
安さは、お客様にとってとても強いニーズであることは間違いありません。
なぜ、価格、つまり安さで勝負するのは良くないのでしょうか?
私なりの解釈ですが、理由の一つは、値引きをすることで販売数が増え売上も増えるという幻想に囚われすぎている方が多いという点です。
随分、昔ですがあるセミナーに出たとき、講師が下記の質問を生徒に出しました。
「100円で1日に1万個売れる、売上100万円の商品があったとします。この商品を10%引き、つまり90円で販売したとします。このとき、1日何個販売すれば今まで以上の売上を上げることが出来るでしょうか?」
とっさに答えを求められたためか、1万1千個と、答えられた生徒が多くいたことを覚えています。
11,000個では、90円 × 11,000個 = 990,000円と、1万円売上が下がってしまいます。
答えは、1万1112個販売しなければならないのですが、このとき思ったのは、値引きすれば売上が上がると安易に考えている方が意外に多いということです。
二つ目の理由としては、安さでの競争は、最終的に体力のある大企業しか生き残れないということです。つまり、大企業であればバイイングパワーを効かせて、安い金額でも利益を出すことができますが、大企業以外の多くの企業は利益を出すことが難しく、じり貧になってしまいます。
以上の理由からも価格以外のニーズに焦点をあてて勝負することが、とても重要であり、どの様に価格以外のニーズを見つけ、アピールしていくかという点をもっと磨く必要があると感じました。
そして、価格以外のニーズに焦点をあてて販売するとは、決して小売業だけの話ではなく、その他の多くの企業にも当てはまることではないかと思いました。
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