小売業の生産性をあげる魔法の様な方法

「売り込む商品を絞り込む」
「フェースを思いっきり大きく取る」
「店舗内在庫を増やし、品切れを起こさないようにする」
「商品を積極的に売り込む」

これは、前回に続き、リテイルサイエンス社の大久保恒夫さんのお話で印象に残った言葉です。

何を言われているかというと、これらは店舗の生産性を上げる方法です。

小売業界では、付加価値(粗利)を従業員の労働時間で割った人時生産性という指標が良く使われています。
人時生産性から生産性を上げるということは、ざっくり言うと、付加価値を上げて、労働時間を削減していくという取り組みになります。

そこで、冒頭の話に戻りますが、この4つの施策は生産性を上げるのにとても良くできた戦略だと思いました。

まず、「売り込む商品を絞り込む」と「フェースを思いっきり大きく取る」いうことは、商品の種類が減り、荷受けや品出し作業の負担が軽減できることになり、労働時間を抑えることができます。

次に、「店舗内在庫を増やし、品切れを起こさないようにする」は、品切れによる販売機会損失を防ぐことになりますので、売上増加に寄与します。

最後の「商品を積極的に売り込む」は、店舗スタッフによるお客様への声掛けや、POPにお薦めする理由を書き、商品の購入を積極的に勧める工夫のことです。これに加えフェースを大きく取っているためお客様の目に留まり安くなり、売上増加が期待できます。

つまり、この4つの施策を実行するということは、労働時間を増やさず付加価値を増やすというなんとも魔法の様な方法で、小売業の面白さを改めて教えて頂いたように思いました。

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